Voices in the Time of Pandemic

トランスフィールド from アジア

Voices in the Time of Pandemic

集まれない時代の声、息遣いを集めて

新型コロナウィルスの世界的な流行のなか、舞台芸術にかかわる人々は何を感じ、考え、どのように暮しているのか。本プロジェクトは、2014年以後の「アジアシリーズ」、および「トランスフィールド from アジア」の参加アーティストたちによるビデオメッセージを作成、公開し、2020年の「感情や思考のアーカイブ」とするもの。投げかけられた3つの問い「最近行ったパフォーマンスについて」「街の様子、人々の振る舞いに起こっている変化」「新しい生活様式が自身の関心や作品に及ぼした影響」に、コメントや映像、パフォーマンスなど、それぞれの方法でアーティストが回答を寄せる。

<トランスフィールド from アジア>
舞台芸術が持つフィクションの力は、都市にどのように働きかけるのでしょう。フェスティバル/トーキョーでは、2018年より自らを「人と都市から始まる舞台芸術祭」と称し、さまざまなプログラム=場を東京のまちなかに組み込んでいます。
そのひとつが「トランスフィールド from アジア」シリーズ。F/T14以後行われてきた国別の特集「アジアシリーズ」を、国や分野の境界が融解するアジア全体の状況を取り上げるものとしてアップデートした本シリーズでの出会い、協働作業は、アジア発の横断的な文化の可能性をあらためて実感させるものです。F/T20では、その経験をさらに深め、観客の皆さんと共に、これからのアジアの文化を築く原動力となる場を目指していきます。

ピチェ・クランチェン タイ

タイ古典仮面舞踊劇コーンの第一人者チャイヨット・クンマネーのもとで16歳から訓練を開始。バンコクのチュラロンコン大学で美術・応用美術の学士号を取得後、ダンサー・振付家として舞台芸術を探究。世界各地でさまざまな舞台芸術プロジェクトに参加する。
ヨーロピアン・カルチュラル財団からルート・マルグリット・プリンセス賞(08)、フランス政府から芸術文化勲章シュバリエ章(12)、アジアン・カルチュラル・カウンシルからジョン・D・ロックフェラー三世賞(14)などを受賞。
F/Tでは18年『MI(X)G(ミックス)』(コンセプト・演出)で参加。

ソ・ヒョンソク 韓国

1965年生まれ。延世大学コミュニケーション大学院教授。クリエーターとしてもサイトスペシフィック・パフォーマンス作品を制作し、フェスティバル・ボムやナム・ジュン・パイク・アートセンター等で発表している。主な演出作品に『FAT SHOW』、『||||□』(共同演出)、『Heterotopia』、『霊魂売春』など。13年にフェスティバル・ボムで『舞台恐怖症』、急な坂スタジオで日韓共同プロジェクト『つれなくも秋の風』を上演。
F/Tでは11年に「批評家 in レジデンス」参加、12年のF/T公募プログラム審査員を務め、14年『From the Sea』(コンセプト・演出)で参加。

居間theater 日本

2013年から東京・谷中にある最小文化複合施設「HAGISO」を拠点に活動をスタート。音楽家や美術家、建築家など分野の異なる専門家とのコラボレーションのほか、カフェ、ホテル、区役所など、既存の場とそこにあるふるまいをもとに作品創作をおこなう。現実にある状況とパフォーマンスやフィクションを掛け合わせることで、誰でも参加可能でありながら、現実を異化するような独特の体験型作品をつくり上げる。
F/Tでは過去のアジアシリーズを紹介するプロジェクト『境界を越えて~アジアシリーズのこれまでとこれから~』(18)に会場構成・演出として参加。
https://www.imatheater.com/

リーダイグオ 中国

1981年米国オクラホマ生まれ。04年中国に活動拠点を移した後、独自の作曲スタイルと擦弦楽器、撥弦楽器を取り混ぜた特殊奏法を展開。中国のエクスペリメンタル、ニューミュージックシーンで独特の存在感を放つ。伝統楽器の中国琵琶、チェロをメインに、作曲家、パフォーマーとして中国全土で活動する。
F/Tでは、17年の音楽イベント『秋音之夜』にアーティストの一人として参加。

オクイ・ララ マレーシア

1991年生まれ。ペナン、クアラルンプールを拠点にするアーティスト、カルチャー・ワーカー。ビデオやパフォーマンスから、コミュニティとの協働まで、広範囲におよぶ活動を通し、移住背景や翻訳プロセスをリサーチ、アイデンティティについての探求を行う。さいたまトリエンナーレ2016参加アーティスト。国際交流基金アジアセンターフェローシップ。
F/Tでは19年『To ツー 通』(企画・出演)で参加。


滝 朝子 日本

自己と他者、国や性別などの境界やそこに生まれる交流に着目。近年は移民にまつわる参加型作品や協働プロジェクトを、パフォーマンスや映像、インスタレーションとして発表する。NPO ARDA事務局長として子供から高齢者までを対象とした創作、鑑賞活動の場づくりを実践。Back and Forth Collectiveとして、ジェンダーに関する企画や展覧会もしている。
F/Tでは19年『To ツー 通』に(企画・出演)で参加。

ノーウェア カンボジア

カンボジア・プノンペンにて、アーティストのローリー・パク(韓国)とシャハルフィクリ・サレー(マレーシア)が運営する学び・交流し・インスピレーションを得るためのアートスタジオ。アート・ワークショップ、トーク、上映会、ソーシャルプロジェクトを行う他、個人や企業の依頼でアートに関連したサービスの提供も行う。
F/Tでは18年『フィールド:プノンペン』にアーティストとして参加し、プノンペンのアートシーンを紹介した。

ジャヒド・リポン バングラデシュ

1969年生まれ。劇団ショプノ・ドル代表。ジャハンギルナガル大学演劇学部(演出専攻)にて学士号と修士号を取得。演出家、俳優、指導者、研究者として32年間演劇に関わり続ける。ナショナル・インスティテュート・オブ・マス=コミュニケーションのディレクター、バングラデシュ・マイム・フェデレーションの委員長を兼任。
F/Tでは18年ショプノ・ドル『30世紀』(演出・俳優)として参加。

ウォン・オイミン マレーシア

演劇教育者、舞台演出家、舞台役者。現在マレーシア国立芸術文化遺産大学(ASWARA)研究科副学部長を務める。日本大学芸術学研究科にて芸術学博士号を取得。日本、カナダ、メキシコ、香港、台湾、中国を含む各地で開催された国際演劇フェスティバルにおいて作品を発表。
‘’多文化共生に向かって越境しよう‘’(Crossing Boundaries Towards Multicultural Coexistence)という理念の下、創作および研究活動と多方面にわたり活躍している。
F/Tでは14年ASWARA – マレーシア国立芸術文化遺産大学『BONDINGS』(講師・演出)として参加。

スン・シャオシン 中国

1986年生まれ。中央戯劇学院卒業。天津音楽学院戯劇ドラマ科講師。中国の小劇場やインディペンデント劇団などを紹介した著書『Re-Theatreインディペンデント演劇の都市地図』を執筆。15年劇団en?(这是怎么回事?怎么变这样?)を旗揚げ。2016年『サイバー劇場計画』を発表。
F/Tでは17年『恋 の 骨 折 り 損 ―空愛①場― 』(作・演出)として参加。

イ・キョンソン 韓国

韓国の若手舞台演出家。ソウル・マージナル・シアター・フェスティバル芸術監督。ソウルの成均館大学校演技芸術学科教授。
07年にクリエイティブ・ヴァキを設立しアーティスティック・ディレクターを務める。演出家として、知覚に訴えかける多様な舞台表現を駆使し現代社会における問題を描く手法を得意とする。10年には『Let us move your sofa』で、韓国演劇界で最も権威のある東亜演劇賞の「新しいコンセプトの演劇部門」賞を受賞した。
F/Tでは14年『いくつかの方式の会話』(構成・演出)として参加。18年城崎アートセンターにてクリエイティブ・ヴァキとしてアーティスト・イン・レジデンスを行う。

スタッフ

映像編集 ダイノサトウ
映像英語字幕 寺田 凜
映像韓国語翻訳 イ・ドヨン
制作 前原 拓也
アシスタント・リサーチャー 中野美緒
助成
2020_about_asiacenter_logo.jpg国際交流基金アジアセンター
アジア・文化創造協働助成
主催 フェスティバル/トーキョー

記録集『アジアシリーズからトランスフィールドへ 2014―2020』を公開しました!

フェスティバル/トーキョーで2014年に立ち上げられた「アジアシリーズ」から、その後枠組みを拡大した「トランスフィールド from アジア」。
2014年から2020年まで、7年間の全プログラムを収めたドキュメントを公開しました。
下記リンクより、ぜひご覧ください!

     




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