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2019/10/10

『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』オープン前夜鼎談: 安藤僚子×菅野信介×青柳菜摘「街の“ひらかれた”プラットフォーム」

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(インタビュー・文:山口達也 撮影:岩本幸一郎)

大塚駅から徒歩数分。サンモール大塚商店街のゲートをくぐってすぐ右手にある白いビル。人の往来が絶えないこのスペースは、フェスティバル/トーキョーのいくつかのプログラムが行われる舞台でもある。この周辺を歩き回ってみると、商店街全体が活き活きと呼吸をしているのをすぐに感じとれるし、ビルの前の通りを観察しているとスペースを覗き込む人が実に多いことに気づかされる。「ここで何が起こるんだい?」と、自転車をひく男性に話しかけられもした。その言葉をうけて、街の変化に鈍感になっている自分の感覚に少しだけ恥ずかしさを覚えた。

10月12日から約1ヶ月のあいだ、商店街にあるこの空間は、『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』と題した誰でもZINE(個人やコレクティブがつくる自主出版の印刷物)を作ることのできる印刷スタジオに姿を変える。東京・武蔵小山にリソグラフ印刷機と工具を設えるDIYスタジオで、オルタナティヴスペースとしても開放している〈Hand Saw Press〉が手がけ、さまざまなイベントも計画中とのことだ。

リソグラフとは、ガリ版と同じ方式をとる日本発祥のデジタル孔版印刷機である。マスターと呼ばれる薄い和紙に穴を開け、その無数の穴からインクを流し出して印刷するというもの。一般的なコピー機よりも高速大量印刷ができるのが特徴だが、必然的に生じるかすれやにじみが、どこか懐かしい表情を醸し出すのも魅力のひとつだ。すべては、発想次第。手軽なのに手を動かすことで新しい表現を生み出せる可能性に満ちている。ゆえに、世界中のジンスタ(ZINEを作ったり、集めたりする人たち)に愛されている印刷方法でもあるのだ。

〈Hand Saw Press〉を運営する、店舗や演劇などの空間をデザインする安藤僚子、週末にジャークチキンを販売する建築家の菅野信介、そして、このふたりがかねてより話をしたかったという、王子から池袋に引っ越し作業中の〈コ本や honkbooks〉のメンバーで、アーティストの青柳菜摘が鼎談するため、まだ名前のないスペースに集まった。




── はじめに、『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』とはどのようなプログラムがお聞かせください。


菅野 一言でいえば、ZINEを作れる「場」ですね。ゲストを招いたイベントも計画していますが、会場にZINEスタンドと腰掛ける椅子を置いたりして、ふらっと立ち寄った人があまり考えずに参加できることが理想だと思っています。F/Tのほかの演目は劇場などで上演され、作品として完成形をなしているけれど、僕たちの場合は「場を運営する」という感覚に近いですね。


安藤 私たちが武蔵小山でやっているスタジオとも似ています。〈Hand Saw Press〉は、もともと近所に住んでいる3人で始め、その中のひとりがリソグラフの機械を持っていた。同時に、普段は空間デザインや建築をやっているので、木を切ったりトンテンカンテンと木工作業する場所がほしかった。簡単にいうと、その2つのスタジオをくっつけたのが始まりです。日々の仕事をするオフィスは別にあるので、自分たちが使うときだけではもったいない。だったらパブリックスペースとして街にひらいてみよう。そういうスタンスで、大塚にも「場」を作ろうというものですね。


菅野 空間をオープンにしていると意外といろいろな人が来るんですよ。思いもよらない方がふらっと……


安藤 すごく近所だからとおじいちゃんが日曜大工をするために通ってきてくれたり、時には私たちの木工作業を手伝ってくれたりね(笑)





── 自然と人を招き入れているのですね。〈Hand Saw Press〉には、他にどのような方がいらっしゃるんですか?


安藤 最近は、バスをひとつ乗り継いできているという……84歳くらいだっけ?


菅野 うん。ステッキを持った、すごくおしゃれなおじいさん。


安藤 著名なグラフィックデザイナーだった方で、老後に絵を描きながら版画をやってらっしゃる。リソグラフは版画の印刷機なので、リソで刷った下絵にさらに絵を描き加えたものを友人たちにお手紙として渡しているそうです。「反原発」とか「戦争反対」とメッセージが込められていて、かっこいいんですよ(笑)。あの場所を作ったときにはこういう出会いをまったく想像もしていませんでしたね。




——ついつい何者か知りたくなってしまいそうです(笑)


安藤 そうですね。良い距離感があるなと思いますね。通ってくれて、自分が書いた本を持ってきてくれたりして、だんだんと知っていくという「時間」が流れているので。




——大塚の商店街や、『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』に来場者のひとりになるかもしれない道行く人々の印象はどうですか?


菅野 ここに決まってすごくラッキーでしたね。


安藤 ほかにも候補地がいくつかあったんですが、大塚に最初にリサーチに来て、最高に気に入ってしまった(笑)。外国人の方のお店、特にアジア系の店も、私たちが住んでいる武蔵小山とは圧倒的に数が違う。元気があって、多様な感じ。それが最初の印象ですね。


青柳 私は今日、都電で王子から大塚まで来てみたのですが、空気感が近いなと思いました。でも、大塚の方が商店街はすごく栄えていますね。人の出入りが多いぶん、街も活性化していて、自然と交流が生まれているのかもしれません。


菅野 時間帯もあったとは思いますが、商店街を抜けて住宅街に帰るであろう人も多かった。山手線の中でいうと会社の数が多いかといえばそうでもないと思いますが、隣に池袋があるから小さく見えるだけで、全然大きな街だなと。




——地元の方やサラリーマンだけでなく、学生の方も多い地域ですよね。文字通り、老若男女を街中でみかけました。


安藤 古くからのお店の方がみんな優しい。それ感じません? 地元の方々の仲の良さを肌で感じるというか。例えば、近くのお店にふらっと挨拶に言ってもいろいろと話し込んでくれたり、どら焼き屋さんに閉店間際にみんなで行くとたくさんお土産いただいたり……。知らない人を無視することなく、きちんと向き合ってくれて、ちゃんと喋ってくださる。


菅野 怪訝な顔をする人がいないよね。僕は最初に来たとき、サザエさんの街みたいな感じがあったんです(笑)


安藤 そうだね。映画や朝ドラのセットみたいな感じ(笑)


青柳 街も人も、たしかにぎゅっと濃縮されている気がしますよね。


菅野 偏ったジャンルの人がいるでもなく、カテゴライズされるわけではない。当たり前に多様性を認め合っているから、なり得ている光景なんじゃないでしょうか。




——そうしたロケーションに、まさに多様性を認めあうスタジオが出現する。


菅野 そうなるといいですね(笑)。それを掲げるというよりは、自然にそうなるといい。街自体がゾーニングされてないので、僕たちも「これをやります」と線引きをするのではなく、街と、そこにいる人たちの中に溶け込むようにした方が良い。




——スタジオを訪れたゲストはどんな体験ができるのでしょうか?


安藤 一番簡単なのは、その場に滞在してZINEを見たり、買ったりすること。本当にふらっと来たり、時間潰しに来るのもいい。自分の作りたいものがはっきりある人だけではないじゃないですか。それでも自分もZINEを作ってみたいと思ったら嬉しいし、そういう人たちが気軽に参加できる企画は準備したいですね。




——人の数だけ関わり方があるのですね。


安藤 そうですね。例えば「大塚の好きなお店を教えてください」「大塚で何か面白いものを発見して描いてみてください」というお題で1ページだけ寄稿しもらって、何人かのページが集まったらそれをZINEにするとか。自分で1冊ZINEを作らなくてもよい。もちろん、何時間でも滞在制作してもらって自分で1冊完成してもいいし、ワークショップで、みんなで1冊絵本を作ったりもしたい。作るだけじゃなくて、トークイベントをしたり、読書会をやったりもしたいですね。そのテーマのことで感想文を書きあったりして、また一冊のZINEをつくるとか……。とにかく印刷機と紙はたくさんあるので、来場者に対するいろいろなフックを用意したいと思っています。




“ひらかれた”場所では、何が起こりうるのか?


安藤 青柳さんは、若い時からネットを使って自分の絵を発表されたりしてきていますけど、なぜ本、本屋をやろうと思ったのか聞いてみたかったんです。


青柳 もともとは、映像祭を開こうとしていたんです。当初は一回きりで終わるイベントを企画していて、場所を探し、誰に声をかけるか、テーマは何かなど……。まずは勢いをつけて走り出すためにも、場所を探していました。それで決まった場所が、偶然にも王子だったんです。3年間を目安に、そこを使ってもいいよと有難いきっかけがあり……


安藤 それで借りちゃったんだ(笑)


青柳 そうですね(笑)。私の地元でもある王子という土地で面白いことをやりたい。自分たちの関係者だけでなく、街の人もふらっと訪れるような場所をつくるにはどうしたらいいか。そういうことを考えていたときに、「本」が浮かんだんです。本にはたくさんの種類がある。手に取った本で、その人たちのことを少しでも垣間見ることができる。場所を通して、知識や感覚などの共有ができるかもしれない。




——垣根をとびこえて人が集まる「場所」。〈Hand Saw Press〉と共通するアティチュードを感じます。


青柳 本屋という“ひらかれた”空間で、この地域では行われてこなかったようなことが起これば、「今まで関係なかった人」が気軽に訪れられるきっかけを作れるんじゃないか。オープンして間もない時、王子に住み始めたという中国人の女の子がふらっと現れて、「小学生でもわかる日本の小説を買いたい」と、振り絞った日本語で言われたんです。そうして気づいたら奥のスペースで宿題をやり始めたりして(笑)


菅野 青柳さんを含めて、お店の雰囲気が「そういうことをやっていいんだ」って思わせたんでしょうね。地域の人との接点としての本屋さん。いつ頃から始めたんですか?


青柳 2016年の6月から2年半ほど王子でやって、今は池袋に移転準備中です。


安藤 王子のT-SITEみたいな感じだったのかな(笑)。移転するのは、契約上のことですか?


青柳 人が多く集まるようになったし、もう少し広い場所にしたかったんです。映像の上映会など、これまでより規模の大きいイベントを定期的にできるような。まさに、おふたりが話していた「プラットフォーム」のような機能を、もっと積極的に活かせる場所に変えようと3人で話したんです。


安藤 青柳さんたちは3人でやられているんですよね。私たちも、プラットフォームとしていろんな人に間口を開いて、そこで何が起こるかを観察するスタンスでいる。実験的な場所でもあるんです。




個人がつくりだす、ZINEとは?

——商業出版とはまったく異なるZINEは、自分が伝えたいことを出発点にして何にも縛られず自由に形作っていくということができるメディアといわれています。例えば、社会問題に対するステイトメントを打ち出すものもあれば、好きなサッカーチームを応援するもの、ごく個人的なコラムまで、カテゴライズすることももはやできません。さらに、完成したZINEを交換することで、まさに多様な考えや文化に触れることができる。ネット空間ではなく、個人と個人がフィジカルに交わること、生身の人間をZINEやスタジオを介して知ることというのが、『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』の最大の魅力になるのではないかと感じました。お話をうかがっていて、F/T 19の「からだの速度」というコンセプトも頭をよぎりました。


菅野 この場所に来なくてはいけないわけですからね。実際に足を運ぶということはたしかにフィジカルな行動ですし、何かを制作する上では人と話さないといけない。つまり、さまざまなノイズがある。


安藤 8年くらい武蔵小山に住んでいて、事務所もあるけど、スタジオを開く前は近所の人——あのおじいさんとも出会うことはなかった。「私たちの道具を使ってください」とオープンにしたから出会えたし、彼らの表現にすごく感動させられる。ネットの検索じゃない、ここにしかない気づき。それが、場所を運営する楽しみのひとつだし、期待したいことですね。


菅野 「からだの速度」なのかはわからないですけど、デジタルでいう「拡散」と、フィジカルな「複製」の違いは際立っていくと思います。ツイッターでは速攻で数万人に拡がるけど、200部ぐらい刷って渡したい人と交換し合うZINEはまるで違う。つまり、拡散と複製は、似ているようでまったく別なものになれる。ZINEは、情報と言えば情報なんですけど、情報以外の「雑味」が多い。個人的には、その部分に可能性を感じていますね。





安藤 ZINEやアートブックは、あまり接してこなかったジャンルだったんですけど、Hand Saw Pressを始めて、アートブックフェアやTOKYOジンスタギャザリングなどにも参加してみて、ZINEの手作り感に震えることがあるんです(笑)。20部しか作らない。「そんなの買っていいんですか!?」という気持ちにもなる。ネットで20、100の「拡散」って、もうゼロと同じ。千とか万という単位にならないと数値として上がってこないけど、この「20を受け取る感覚」が、ZINEの魅力なんじゃないかな。


青柳 そうですね。画家でなくても絵のZINEを作れるし、小説を出版社から発表してなくても自分で文字組みをして冊子にすることができる。自分がコレクションしているおもちゃを写真で撮って並べるだけでもZINEになる。その場で刷って、綴じれば一冊になるっていう気軽さも大事なんだと思います。それに、値段を自分で決められるのは大きいですよね。一冊、10万円でもいいわけなので(笑)。


菅野 ただ正直、ZINEと書籍の明確な違い、外見的なところを除くと定義づけはよくわからないですね。どちらも一生懸命につくってるから……


安藤 ZINEには「作りたい」という「愛」があると思うんです。学生の頃にアングラ劇団を手伝っていたんですが、彼らは未だにアングラな芝居を続けているんですね。私よりも10くらい上の方なので、いいお歳なのに何にも変わらずやりたいことを続けている。売れる、売れないじゃなくて、好きで好きで仕方がないから。一年に一回、定期的に集まって公演を続けているのに、観客も増えないし、クオリティは上がってない…。それでも、「この人たち演劇をやらなくなったら死んじゃうんじゃないか」という感じがある。

「この人、本当にこれを作らないと居られない」。そんな強烈な思いがZINEにはあるし、少なくとも私はその想いにグッとくる。だから「20分の1をもらってもいいですか」という気持ちになるし、お金を払いたくなる。ネットと違って、その一冊をあげる人、ZINEを置く場所も自分で決められるわけですから。



——ZINEは自己表現がしたいという欲望をかたちにできる媒体なんですね。


安藤 料理作るのも表現だし、メイクだって、服を選んで着るのも表現。そんなに特別なものじゃない。そういうことを訓練してスペシャルに表現できる人もいるけど、そうじゃない人でも等しく受け入れてくれるのがZINEなんだと思います。空間を作るためには機械の力だけでなく、いまだに職人さんの——いわゆる人間の「からだの速度」に関わる部分は絶対にケチれない。手を動かす時間はもちろん、そもそも紙もインクだって超アナログですからね。アーティストとしての青柳さんが、ネットでなくアナログな方にアウトプットが変わっていった理由もうかがいたいと思っていました。


青柳 中学生の頃の夢が、絵本作家になることでした。実際につくったこともあるのですが、なんか違うなと思って。いわゆる絵本というフォーマットでなくても、絵本の要素をきっかけにして作品をつくることで、最初に思い描いたような自分の活動に近づくと思ったんです。絵本というものは、物語があって、絵や画像があり、ページをめくることでお話が進んでいく。手に取れる形態だからこそ、ものと自分の時間を直接共有できて、人に読み聞かせることもできる。そういった要素を別のかたちに落とし込むことが、私にとっては作品を発表することに近かったんです。特に、インターネットはそうでした。今のネットには、違和感がありますが……


菅野 ネット上にも居心地の良いスペースってありましたよね。物理的なものではないけど、mixiや掲示板、昔のツイッターもそうでしたね。「愛」を持って語られるインターネットスペースというんですかね。


安藤 私たちが最初にネットと関わっていた時は、ポストペットとかやってたよね。可愛かったし、楽しかったけど、遅かった(笑)。ただ、今思うと、あのぐらいの速さでよかったよなあ。


菅野 いや、あの速度は困る(笑)。メッセージが来ているかを確かめるだけで1分とか2分とかかかって、それなのに「来ていません」って(笑)。


——でも、当時はそれが「最速」だと思っていた……


菅野 手紙よりは早いくらいでしたけどね(笑)


安藤 メッセージを開くのを楽しみにしていたし、やりとりの一つひとつを楽しむゆとりがあった。今は、メールの返事の仕方とか雑になったもんだよね。一方、140字の発言に躍起になっていたりするし。


青柳 打つのが面倒くさいからと、LINEで音声入力する人がいるくらいですもんね。


安藤 のびやかな場所に来て、時間を過ごしながら、人の表現をみるというのはすごい気づきがあってやっぱり面白い。それに、今回は「ZINEって何ですか?」っていう人も多いだろうから、これもまた観察がはじまりますね。


安藤僚子 / Ryoko Ando

空間デザイナー。合同会社デザインムジカ代表。2018年からリソグラフ&オープンD.I.Y.スタジオ「Hand Saw Press」運営。空間設計を中心に、店舗設計、演劇や科学展示などの会場構成、ディスプレイやアートインスタレーションなど空間にまつわる幅広いジャンルで活動している。多摩美術大学情報デザイン学科非常勤講師。主な活動に「スポーツタイムマシン」(メディアインスタレーション/第17回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、アルスエレクトロニカインタラクティブアート部門入賞)、日本科学未来館常設展「未来逆算思考」(空間設計・アートディレクション)、「TOKYOインテリアツアー」(出版/LIXIL出版社)など。

菅野信介 / Shinsuke Kanno

建築家/ジャークチキン屋/Hand Saw Press。大学で建築を学び、建築や空間のデザインの仕事をしている。2010年より、友達と週末ジャマイカンレストラン「AM-A-LAB(アマラブ)」を開始。2018年より、ご近所つながりで安藤僚子(デザインムジカ)、小田晶房(なぎ食堂/map)とリソグラフ&オープンD.I.Y.スタジオ「Hand Saw Press」を開始。

青柳菜摘 / Aoyagi Natsumi

プラクティショナーコレクティヴであるコ本や honkbooks主宰。「だつお」というアーティスト名でも活動。1990年東京都生まれ。ある虫や身近な人、植物、景観に至るまであらゆるものの成長過程を観察する上で、記録メディアや固有の媒体に捉われずにいかに表現することが可能か。リサーチやフィールドワークを重ねながら、作者である自身の見ているものがそのまま表れているように経験させる手段と、観者がその不可能性に気づくことを主題として取り組んでいる。2014年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の活動に「彼女の権利——フランケンシュタインによるトルコ人、あるいは現代のプロメテウス」 (NTTインターコミュニケーション・センター [ICC], 2019)、「冨士日記」(NADiff Gallery, 2016)、第10回 恵比寿映像祭(東京都写真美術館, 2018)、「家の友のための暦物語」(三鷹SCOOL, 2018)など。また書籍に『孵化日記2011年5月』(thoasa publishing, 2016)、小説『黒い土の時間』(自家版, 2017)がある。

Hand Saw Press ハンド・ソウ・プレス

リソグラフの印刷機と工具を置き、ワークショップやイベントを行うD.I.Yスペース。建築家の菅野信介(アマラブ)、空間デザイナーの安藤僚子(デザインムジカ)、食堂店主・編集者の小田晶房(map/なぎ食堂)が2018年に武蔵小山でスタートした。
http://handsawpress.com/

コ本や honkbooks

2016年6月より活動するプラクティショナーコレクティヴ。 映像や書籍の制作、展覧会やプロジェクトを企画するメディアプロダクションであり、 活動拠点としてフラッグシップショップの「コ本や」を運営する。 青柳菜摘/だつお(アーティスト)、清水玄(ブック・ディレクター)、和田信太郎(ドキュメント・ディレクター)主宰。3人ともに東京藝術大学大学院映像研究科出身。 最近の活動としては、展覧会シリーズ「残存のインタラクション」、「尺度の詩学」企画(Kanzan Gallery, 2017-19)、「ワーグナー・プロジェクト」メディア・ディレクション(神奈川芸術劇場KAAT, 2017)、「新しい洞窟-もうひとつの岐阜おおがきビエンナーレ2017」ディレクション(2017)など。「thoasa(トオアサ)」という別名義で、書籍の出版や映像制作を行う。
https://honkbooks.com/

インタビュー・文:山口達也 撮影:岩本幸一郎

Hand Saw Press『ひらけ!ガリ版印刷発信基地』

日程 10/12(Sat) - 11/10(Sun)
木土日祝=14:00 - 19:00
火=18:00 - 22:00
ディレクション Hand Saw Press
会場 ガリ版印刷発信基地
(〒170-0005 東京都豊島区南大塚3-55-1)


人と都市から始まる舞台芸術祭 フェスティバル/トーキョー19

名称 フェスティバル/トーキョー19 Festival/Tokyo 2019
会期 令和元年(2019年)10月5日(土)~11月10日(日)37日間
会場 東京芸術劇場、あうるすぽっと、シアターグリーンほか


概要

フェスティバル/トーキョー(以下F/T)は、2009年の開始以来、東京・日本を代表する国際舞台芸術祭として、新しい価値を発信し、多様な人々の交流の場を生み出してきました。12回目となるF/T19では国内外のアーティストが結集し、F/Tでしか出会えない国際共同製作プログラムをはじめ、劇場やまちなかでの上演、若手アーティストと協働する事業、市民参加型の作品など、多彩なプロジェクトを展開していきます。

 オープニング・プログラムでは新たな取り組みとして豊島区内の複数の商店街を起点とするパレードを実施予定の他、ポーランドの若手演出家マグダ・シュペフトによる新作を上演いたします。

 2014年から開始した「アジアシリーズ」は、「トランスフィールド from アジア」として現在進行形のアジアの舞台芸術やアートを一カ国に限定せず紹介します。2年間にわたるプロジェクトのドキュントメント『Changes(チェンジズ)』はシーズン2を上映予定です。

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