Cross-Border Intellect: At a New Journey's Start


Naoto Moriyama (Japan)
The F/T Emerging Artists Program greatly expanded in 2011, opening its gates for the first time to the rest of Asia and receiving some eighty applications. The final Program consisted of four international and seven domestic groups; the first thing to be recognized at the launch of any discussion is that it was likely the part of the Festival this year with the highest risk and also a real cultural investment.

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国境をこえる知性――あらためての「旅のはじまり」に際して

森山直人
 F/Tの「公募プログラム」は、2011年から大幅に拡充された。はじめて門戸を開いたアジア諸国からは80組もの応募があったという。結果的に国外4組、国内7組による開催となったこのプログラムが、おそらく今年のフェスティバルの中で最もリスクの高い実験であり、文化的な投資だったであろうことは、まずは議論の出発点として認識されるべきだろう。どんなに個性的な作品が出そろったとしても、日本国内で無名のアジアの若手作家の作品に、残念ながら集客的には期待できない。その目標は、必然的に、「いま、ここ」よりも「未来」に向かわざるを得ないのだ。したがって、このプログラムが対峙しなければならないのは、近未来の舞台芸術であり、近未来の世界であると考えることができるだろう。今回上演された11組の作品は、総じて野心的で刺激的な作品が揃っていたことは間違いないが、問題をそこだけに限定しては意味が半減してしまうのである。

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