NOWHERE OASIS

コンセプト・ディレクション:北澤 潤

ジョグジャカルタ式屋台と共に出現する
どこにもないオアシス

母国を離れて暮らす人びとの記憶から故郷を再現する『NEIGHBOR’S LAND』(18)など、フィールドワークを重ね、さまざまな人々と協働しつつ、あらたなコミュニティの創造に取り組む北澤潤。本プロジェクトは、彼が拠点とするインドネシア・ジョグジャカルタではおなじみの「アンクリンガン」を、池袋周辺に出現させることからスタートします。アンクリンガンとは、街に点在するシートに覆われた屋台型商店のことで、内部は外の世界からは隠されています。コーヒーや軽食を買うだけでなく、店主や周りの客との会話を楽しむなど、そこには目的のないのんびりとした時間が流れています。日本在住のインドネシアの人々も巻き込みつつ複数箇所にわたって展開するF/T版アンクリンガン。そこは都市のどこにも属さない「空白」であり、ここにしかない「行き場」にもなるはずです。

公演情報

公演名 NOWHERE OASIS
日程

11/1 (Fri) – 11/10 (Sun)
各日15:00-19:00

<デイリー・ダイアローグ>
11/3 (Sun) 18:00-19:00
11/7 (Thu) 18:00-19:00
11/9 (Sat) 18:00-19:00

参加費 参加無料・予約不要
会場
東京芸術劇場 劇場前広場ほか

※アンクリンガンは池袋駅西口周辺の複数箇所で展開されます。展開場所は日によって異なります。
東京芸術劇場 劇場前広場の受付にて当日アンクリンガンが展開されている場所をご案内いたしますので、一度こちらにお越しください。

ステートメント

どこでもない場所、

どこにもない場所、

どちらでもない場所。

でも実際に、いま身を置くここ。

そんな曖昧で、同時に確かな、

「からだの行き場」を探してる。

 

街のあちこちに、幕で覆われた空間が現れる。

だいたい夕方から夜にかけて、ぽつぽつと。

それは「アンクリンガン」と呼ばれている。

即席の飲み物や軽食をつまみながら、

だらだらと過ごすこと。

リラックスして座っているその状態。

それから、移動していくことが言葉の意味にあるらしい。

 

中に入ってみる。

木製の屋台が頼りない空間を支えている。

細長いベンチに座ると、妙に落ち着く。

他人との距離感は、肌が触れるほどに近い。

くだらない話を主人と繰り返す。

彼は店主というより常連の一人みたいだ。

黙って何かを読んだりしたっていい。

どのくらい時間が経ったか忘れた頃に、

幕を抜けて外に出た。

見慣れた街が眩しい。

 

これは都市が捨て去ってきた場の希求か?

都会人が追い求める「オアシス」のささやかな投影か?

否、これは「日常」だ。

遠い異国の誰かの日常であり、

私たちの社会をサバイブする「隣人」たちの、

本来の日常だ。

 

二重の風景、二重の常識、二重の体づかい。

それを扱いこなす人間であれ。許容する都市であれ。

「ダブル」であれ。

 

2019年6月15日

北澤潤

デイリー・ダイアローグ

アンクリンガンの中で日々交わされる雑談。 そこでは大半のくだらない話に混じりながら、 政治についての意見が飛び交い、まちの噂が共有され、 時にはジャワの神話が語られることもあります。 あちこちに点在するアンクリンガンたちは、 ローカルなメディアネットワークでもあるのです。

『NOWHERE OASIS』の期間中、 ゲストを招いたトークイベント 「デイリー・ダイアローグ」をおこないます。 日常の会話を公開するようにゆるやかな雰囲気で、 プロジェクトの背景や各会場での出来事を語り合い、 アンクリンガンでのそれぞれの体験を捉え直していきます。 各回異なるゲストとのフリートークを通して、 新たな視点の発見と共有を目指します。

できれば事前にアンクリンガンを訪れた上で、 防寒対策をしてお集まりください。

会場:東京芸術劇場 劇場前広場
予約不要・参加無料

話し手:北澤 潤 (美術家 / 『NOWHERE OASIS』コンセプト・ディレクション)


第1回 11月3日(日) 18:00~19:00
ゲスト:砂連尾 理 氏(振付家・ダンサー)
言語:日本語
第2回 11月7日(木) 18:00~19:00 
店員役のインドネシア人メンバーたちとのトーク
ゲスト:アンクリンガン店員 レトノ・ワタナベ氏ほか 
言語:日本語・インドネシア語(逐次通訳あり)
第3回 第3回 11月9日(土) 18:00~19:00
コラボレーターたちとのトーク
ゲスト:南波 圭、洪 雄大、竹田英司
言語:日本語

砂連尾 理(じゃれお・おさむ)

振付家、ダンサー

91年、寺田みさことダンスユニットを結成。近年はソロ活動を中心に京都・舞鶴の高齢者との「とつとつダンス」、宮城・閖上(ゆりあげ)の避難所生活者の取材が契機となった「猿とモルターレ」を発表、また映画「不気味なものの肌に触れる」(濱口竜介監督)の出演、振付など。  著書に「老人ホームで生まれた〈とつとつダンス〉―ダンスのような、介護のような―」(晶文社)。立教大学 現代心理学部・映像身体学科 特任教授 HP: https://www.osamujareo.com


洪 雄大(ごう・たけひろ)

日本大学芸術学部演劇学科卒。卒業後、pool-5を旗揚げ。
現在は中野成樹+フランケンズにて演劇活動中。(http://frankens.net.)
ロスト・ジェネレーションの寂莫と大阪育ちの豪胆を持ち味に、舞台外での演劇にも活動を広げ、ワークショップデザイナーの一面も持つ(青学WSD5期生)。

Photo: Kaihei Akioka

竹田英司(たけだ・えいじ)

1986年、ロンドン生まれの埼玉育ち。日本大学芸術学部演劇学科演技コース卒。中野成樹+フランケンズ(ナカフラ)のメンバー。
在学時より関わり、2009年からフランケンズ(フランケンズは演出家・中野成樹に出会った役者の集まり)に参加。以降、劇場の内外問わず活動中。近年の参加作品はF/T17「半七半八(はんしちきどり)」、18 CIRCULATION KYOTO「マザー・マザー・マザー」など。

南波 圭(なんば・けい)

俳優

青年団所属。蜷川幸雄、平田オリザなどの演出作品やチェルフィッチ等に出演。
また、実の妹の南波早と姉妹演劇ユニット「なんばしすたーず」を結成。「気がついたら参加型」という不思議なパフォーマンス形体をもっている。
その他に、NPO法人演劇百貨店のメンバーとして、劇場や学校等で演劇ワークショップの進行役として活動。
様々な人との関わりに中から生まれる演劇づくりを行っている。
 

 

アーティスト・プロフィール

北澤 潤

美術家

1988年東京生まれ、ジョグジャカルタ拠点。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。合同会社北澤潤八雲事務所代表、STUDIO BELIMBINGディレクター。フィールドワークを通して「ありえるはずの社会」を構想、さまざまな人々との協働のもとにその現実化に取り組むプロセスを芸術実践とする。2016年、米経済紙Forbes「30 Under 30 Asia」アート部門選出。

キャスト・スタッフ

コンセプト・ディレクション 北澤 潤
アンクリンガン店員 レトノ・ワタナベ、ムハマッド・ジダネ・マダニ、モハマッド・カッフィ ほか
コラボレーター 南波 圭、洪 雄大、竹田英司
プロジェクトアシスタント 遠藤純一郎、ムニフ・ラフィ・ズディ、 アニーサ・プトゥリ・チンデラカシ、アナスタシア・ユアニタ
デザイン 川村格夫
通訳・翻訳 山脇照里
記録 藤川琢史、宮澤 響(Alloposidae)、リズキー・ヌル・ウィジャットマジャ
制作 荒川真由子、松宮俊文(フェスティバル/トーキョー)、加藤夏帆(TASKO inc.)、金井美希
インターン 植松七海、纐纈涼香、杉田 亮
協力 ジャワ料理専門店モンゴ モロ、アートムルデカ、アンクリンガン45バヤット、ジョグジャカルタビエンナーレ
後援 インドネシア共和国大使館
主催 フェスティバル/トーキョー

会場アクセス

東京芸術劇場 劇場前広場

  • 住所:東京都豊島区西池袋1-8-1
  • TEL:03-5391-2111(代)
  • JR他「池袋駅」西口より徒歩2分(駅地下通路2b出口と直結)

フォトギャラリー

体験レポート

F/TインターンのYさんが『NOWHERE OASIS』を体験。レポートしてくれました!

レポートはこちら

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2019/10/25

東京とジョグジャカルタの路上から「公と私」を考える ー対談:北澤潤×森真理子

作成者 :
ft_tokyo

(構成:内田伸一 撮影:鈴木渉) F/T 19では、アーティストの北澤潤が自身の新プロジェクト「NOWHERE OASIS」で参加する…


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