数か月前には想像もつかなかったこの事態に対処し努力しているすべての人に敬意と連帯の意を表します。とりわけ命に関わる領域で日々奮闘されている方たち、また物流をはじめ生活インフラを支えている方たちに最大限の感謝をお伝えします。
集まることはおろか、移動すること、何かにさわるといったことさえ無自覚にはできなくなって、世界の見え方が変わってしまいました。同じ空間で会話したり飲食したり、何かを観たり聴いたりすることが、たんに目や耳や舌からの情報だけで成り立っていたわけではないことを思い知らされています。この正体不明の飢えと渇きをどうしたら癒やせるのか、アートにとっても発明のしどころにちがいありません。
フェスティバル/トーキョーとしても、今年の秋がどんな状況か、開催できるとしたらどのような形か、最終的な判断まではもう少し時間がかかる想定で準備を進めています。何らかのやり方で、必ずお会いしましょう。
2020年5月15日
ディレクター 長島 確・共同ディレクター河合千佳