F/Tテーブル

 会期中の3週間、フェスティバルの入り口として来場者を緩やかに巻き込みながら、舞台芸術と出会う空間「F/Tテーブル」が出現。テーブルを囲むように、人々が集い、語らう場が生まれます。フェスティバルの最新情報の紹介だけではなく、トーク・ワークショップ・上映会など、関連企画の実施も予定しています。ご観劇の前後にぜひお立ち寄りください。

日程10月19日(水)~11月6日(日)12:00~20:00
※11月6日(日)のみ12:00~18:00
会場東京芸術劇場 アトリエイースト
東京都豊島区西池袋1-8-1
JR、東京メトロ、東武東上線、西武池袋線「池袋駅」西口より徒歩2分(「池袋駅」2b出口と直結)
内容常設:フェスティバルの最新情報のご案内や展示などを実施します。
イベント:F/T16に関連したトーク、ワークショップ、上映会など、フェスティバルのプログラムをもっと楽しむための多彩なイベントを開催します。(一部有料)
F/T Table0

展示

「都市と舞台の小道具展」

 「都市と舞台の小道具展」はフェスティバル / トーキョー 16 のワークショップ「新しいロビーをデザインする」から生まれた展示です。
 劇場のロビーには、高揚感と日常が混ざり合う独特の空気感が漂っています。都市と舞台の間に存在する、ノンフィクションとフィクションが交差する特殊な空間といってもいいかもしれません。
 ロビーのあり方によっては、演劇の力を劇場内に押しとどめてしまうこともありえますし、逆に演劇と日常を繋ぐことも可能なのではないでしょうか。
 そこでワークショップでは、ロビーにどのような空間やモノ・出来事があれば、日常と舞台を繋ぐことができるのかをテーマに調査・考察を進めてきました。
 その過程で、上がってきたキーワードが「小道具」です。乗降率が日本で第 3 位の池袋には、年齢、職種、人種を越えて様々な人が集まってきます。ここでは、日々、他者と自らの距離を調整するための多くの工夫が見てとれます。そこで使われるモノたちを「都市の小道具」と名付けました。
 この「都市の小道具」とフェスティバル /トーキョー16 の各演目で使用される「舞台の小道具」の再現品を、ごちゃ混ぜにしてロビーに散りばめたような展示をつくりました。それぞれのモノが喚起するイメージによって、ロビーがいつもと違う風景に見えるかもしれません。
 舞台がはじまるまでの時間や、待ち人がくるまでの時間に、是非お楽しみください。

会場東京芸術劇場 アトリエイースト付近
日程10/19(水)~11/6(日)
Plan / Design阿部太一(GOKIGEN グラフィックデザイナー)
冨永美保 + 伊藤孝仁(tomito architecture 建築家)
FT サポーター

F/Tトーク

トーマス・ベルンハルトとウィーン演劇

『Woodcutters ― 伐採 ―』の原作者トーマス・ベルンハルトとはどのような人物で、その作品の魅力とは?
オーストリア演劇が専門の寺尾 格先生をお招きし、原作の舞台でもあるウィーンの演劇事情についてお話を伺います。


講師:寺尾 格(専修大学教授)

1951年生まれ。東京都立大学経済学部卒業後、人文学部独文学科に再入学、同大学院博士課程修了。専修大学教授。著書に『ウィーン演劇あるいはブルク劇場』(2012)、翻訳にヴェルナー・シュヴァープ『かぐわしきかな天国』(2003)、フィリップ・レーレ『走れゴスポディン』ほか多数。現在、オーストリア文学会誌『オーストリア文学』編集長。

会場東京芸術劇場 アトリエイースト
日程10/19(水) 19:00
入場料500円(予約優先)
言語日本語
共催オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム



F/Tトーク

ポーランド演劇の最前線

クリスチャン・ルパは1983年からクラクフ国立高等演劇学校で後進の指導にあたっており、現代ポーランド演劇を代表する数々の演出家を輩出してきました。
F/T15で開催した「ポーランド演劇の現在形」では、20代〜40代の3世代にわたる演出家の活動を紹介しましたが、本トークはその続編として、最も若い世代のポーランド演劇に詳しいグジェゴシュ・レスケ氏から彼らの作品の実験性やレパートリー性に関するお話を伺います。


Reske

講師:グジェゴシュ・レスケ(アートプロデューサー)

1980年生まれ。ルブリン大学で美術史を学んだ後、クラクフ大学とワルシャワ大学の大学院で文化政策を専攻。2003年から2013年までポーランドで最も歴史のある独立系劇団Provisorium Theatreのプロデューサーを務めた。2007年からルブリンの国際演劇フェスティバルKonfrontacje Teatralne(http://konfrontacje.pl)のジェネラルプロデューサーを務め、2013年からはマルタ・カイルと共同でキュレーションを行っている。ルブリン、ワルシャワ、カリシュなどポーランド国内で多彩な活動を行っており、それらの経験をもとにした書籍『I’ll kill you, Baby! How to quit successful cultural project』を現在編纂中。

会場東京芸術劇場 アトリエイースト
日程10/20(木) 19:00
入場料500円(予約優先)
言語ポーランド語(日本語逐次通訳付き)
共催ポーランド広報文化センター、Culture.pl
後援駐日ポーランド共和国大使館



F/Tトーク

多民族国家マレーシアにおけるアートプロジェクト

マレーシアのマルチメディア・アーティストのファイルズ・スレイマンと、現代美術家ロスリシャム・イスマル(イセ)。それぞれのアプローチで都市を捉え、さまざまな地域で先駆的なアートプロジェクトを展開し注目を集める彼らを招き、同国におけるアートシーンやカルチャーの現状について、都市やコミュニティに焦点をあてたトークを開催する。


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ファイルズ・スレイマン

1982年プタリン・ジャヤ生まれ。ビジュアル、マルチメディア・アーティスト。マレーシアのマルチメディア大学MMU Cyberjayaで映画とアニメーションを学ぶ。主にアナログな手法を用いながら、デジタル様式も取り入れる作品で、インディーズバンドのミュージックビデオの制作、短編映画のアニメーションの制作、音楽イベントでのVJ、舞台演出など幅広い活動を展開している。日常に溢れる物事を主題として扱い、ライブに近いかたちで様々な作品を手掛ける。ユーモアにあふれた親しみやすい物語や手法の中に、シニカルな社会的なメッセージが込められた作品はマレーシアのアート関係者の中でも高い評価を受けている。Digital Art + Culture(DA+C)フェスティバルのプログラム・ディレクターも務める。

Ise

ロスリシャム・イスマイル(イセ)

1972年コタバル生まれ。マラ工科大学卒業。都市コミュニティにおける個人的な経験と大衆文化をもと創作する現代美術家。インスタレーション、ビデオアート、参加型プロジェクトなどその表現方法は多岐に渡る。主な作品にマレーシアの家庭に伝わる料理や伝統をテーマにした「The Lagkasuka Cookbook」(2012)は、英国統治時代に国境が引かれたマレーシアとタイの狭間の地域で生まれた軍隊の食事「マウンテンライス」を、その土地に暮らす祖母の昔の記憶を頼りに、レシピとイラストをまとめ一冊の本にするというアートプロジェクト。またシンガポール・ビエンナーレでは地元の各家庭の冷蔵庫の中身を展示するインスタレーション作品「Secret affair」(2015)を発表し、食を通じて、その土地で暮らす人々やコミュニティ、生活様式や文化を浮かび上がらせる作風で知られている。

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聞き手:
小川希 (Art Center Ongoing 代表/TERATOTERAディレクター)

1976年神楽坂生まれ。2001年武蔵野美術大学卒。2004年東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。2002年から2006年に亘り、大規模な公募展覧会 『Ongoing』を、年一回のペースで企画、開催。その独自の公募システムにより形成したアーティストネットワークを基盤に、2008年に吉祥寺に芸術複合施設Art Center Ongoingを設立。現在、同施設代表。また、JR中央線高円寺駅~国分寺駅区間をメインとしたアートプロジェクト『TERATOTERA(テラトテラ)』のチーフディレクターも務める。

会場東京芸術劇場 アトリエイースト
日程10/22(土) 15:00
入場料500円(予約優先)
言語英語(日本語逐次通訳付き)
共催国際交流基金アジアセンター



森川弘和による ツアー型 身体ワークショップ
「うたの木のPVに出演しよう!」

まちなかパフォーマンスシリーズ『うたの木』に出演するダンサーの森川弘和による、身体の動きにまつわるツアー型ワークショップを開催します。
このワークショップでは豊島区庁舎10階の豊島の森で行なわれる野外ダンス作品『うたの木』の創作プロセスの紹介を室内で行なった後、屋外に繰り出して森川弘和と参加者が一緒に散歩しながら、吉田省念が作った新曲に合わせてさまざまな動きを実践します。撮影した映像は完成後、F/TのYoutubeチャンネルに登録されます。


日程10月23日(日)13:00〜16:00
集合場所東京芸術劇場 アトリエイーストほか
講師森川弘和
楽曲協力吉田省念
参加費無料
定員10名(応募者多数の場合は抽選)
詳細・ご応募はこちら




【上映会】チェルフィッチュ『現在地』

今年のF/Tでチェルフィッチュ『あなたが彼女にしてあげられることは何もない』の作・演出をする岡田利規の過去作品を上映。2012年、KAAT神奈川芸術劇場 (横浜)、イムズホール/福岡演劇フェスティバル (福岡)、Baltoscandal2012 (ラクヴェレ / エストニア)、Kampnagel (ハンブルグ / ドイツ)、PACT Zollverein (エッセン / ドイツ)。2013年、Festival BO:M (ソウル / 韓国)、Festival d’Automne a Paris (パリ / フランス)、フェスティバル/トーキョー13 (東京)。2014年、HAU Hebbel am Ufer (ベルリン / ドイツ)にて上演。


【作品概要】
2012年、チェルフィッチュと岡田利規は、また新たなそして重要な変化の局面を迎えることとなりました。2011年3月11日に起きた東日本大震災とその後の原発事故によって大きく変わってしまった日本の社会状況に影響を受け、変化した岡田自身の演劇に対する態度が、まぎれもなく本作品に反映されています。不吉な雲と、村が破壊するという噂。噂を信じるのか、信じないのか。状況に対して変化するのか、しないのか。「村」と呼ばれる場所に暮らす7人の女性、それぞれの不安/葛藤/信条/希望などが、SF的意匠を織り交ぜながらも淡々と綴られます。


会場東京芸術劇場 アトリエイースト
日時10月30日(日)17:00~
上映時間約110分
入場無料(予約不要)
映像提供チェルフィッチュ




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岡田利規

演劇作家、小説家、チェルフィッチュ主宰

73年横浜生まれ、熊本在住。活動は従来の演劇の概念を覆すとみなされ国内外で注目される。主な受賞歴は、『三月の5日間』にて第 49 回岸田國士戯曲賞、小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』にて第2回大江健三郎賞。主な著書に『遡行 変形していくための演劇論』、『現在地』(ともに河出書房新社)などがある。15年初の子どものためのお芝居KAATキッズプログラム『わかったさんのクッキー』の台本・演出を担当。16年よりドイツ有数の公立劇場のレパートリー作品の演出を3シーズンにわたって務める。

【上映会】範宙遊泳『うまれてないからまだしねない』

今年のF/Tでドキュントメント『となり街の知らない踊り子』の脚本・振付・演出をする山本卓卓の過去作品を上映。


【作品概要】
作・演出 山本卓卓
アートディレクション たかくらかずき
2014年4月 東京芸術劇場シアターイースト
出演 大橋一輝 熊川ふみ 田中美希恵 埜本幸良 福原冠(以上範宙遊泳) 伊東沙保 大石将弘(ままごと/ナイロン100℃) 椎橋綾那 名児耶ゆり 波佐谷聡
 


会場東京芸術劇場 アトリエイースト
日時11月3日(木・祝)13:30~
上映時間約120分
入場無料(予約不要)
映像提供範宙遊泳




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山本卓卓

演劇作家、演出家、範宙遊泳主宰

1987年生まれ。山梨県出身。舞台上に投写した文字・写真・映像・色・光・影などの要素と俳優を組み合わせた独自の演出と、観客の倫理観を揺さぶる問いのある脚本で、日本国内のみならずアジア諸国からも注目を集め、マレーシア、タイ、インド、シンガポールで公演や共同制作を行っている。2014年『幼女X』でバンコク・シアター・フェスティバル最優秀脚本賞・最優秀作品賞を受賞。2015年『うまれてないからまだしねない』で第59回岸田國士戯曲賞最終候補ノミネート。

【上映会】森川弘和(振付・出演)× 杉山 至(美術・衣裳デザイン)『動物紳士』

今年のF/Tで『うたの木』の振付・出演をする森川弘和の過去作品を上映。2014年11月シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京)、2015年4月Seoul Art Space MULLAE (Box Theatre)(韓国)にて上演。


【作品概要】
遊び心と実験精神が交錯する、身体と美術のコラボレーション
白いA4用紙を駆使し、身体と美術との対話を試みた『A4』シリーズなど、柔軟かつ緻密な動きとストイックな挑戦心、ユーモアを併せ持つ作品づくりで存在感を放つダンサーの森川弘和が、地点、サンプルなどの舞台美術を手がけ、読売演劇大賞最優秀スタッフ賞も受賞した気鋭の美術家・杉山至とのコラボレーションに挑んだ。 キーワードは「100%の遊び心と100%のひたむきさ」。杉山のつくり出すモノ、空間と森川の身体が共に立ちつつ、向かい合い、ぶつかり、時には互いを解体し、時には一体化する。そんな濃密な実験の先にあるものとは−−? 身体と空間、それらをめぐる意識さえ転換させる、新たなダンスの地平がここに拓かれる。


会場東京芸術劇場 アトリエイースト
日時11月3日(木・祝)16:00~
上映時間70分
入場無料(予約不要)




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森川弘和

ダンサー

22歳で渡仏しマイムとサーカスを学ぶ。帰国後、京都を拠点に活動するMonochrome Circusのダンサーとして5年間活躍。2007年よりフリーランスとなる。自身の作品を発表するほか、さまざまなプロジェクトに参加。F/T14では美術家・杉山至との共作『動物紳士』を上演。瞬発力と抜群のボディバランスを生かした動き、ストイックな挑戦心とユーモアを併せ持ったパフォーマンスは高い評価を得ている。

F/Tサポーター企画
『x / groove space』 ”鑑賞体験を深める” ワールド・カフェ

参加者同士で『x / groove space』の感想をシェアしよう!鑑賞体験を通してどんなことを感じ考えたのか、それを自分の言葉にし、また他の人の言葉を聞くことによって、見えてくるものがあります。新しい物語を見つけにきてください。


*ワールド・カフェとは・・・テーブルごとに小グループに分かれ、フォーマルな会議ではなくカフェのようなオープンな雰囲気の中で話し合いをする対話の方法です。席替えを数回行うことで、多くの人と情報の共有ができたり、また、そこから多くのアイディアが生まれたり、人間関係をつないだりすることのできる創造的な話し合いの手法として、近年注目されています。話し合いには全員で共通探求するテーマが出されます。
観劇体験を深めるワールドカフェ紹介動画


会場東京芸術劇場アトリエイースト
日程『x / groove space』
11月6日(日)12:00の回終了後
 ※所要時間:約2時間
参加費無料
定員20名 ※予約優先。
『x / groove space』をご鑑賞された方であれば、
どなたでもご参加いただけます。
※このワールド・カフェは、F/Tサポーター「かんげきワークショップ部」のメンバーを中心に、企画・運営されています。




F/Tサポーターとは
F/T を応援し、一緒に盛り上げるボランティア・スタッフ「F/T サポーター」。【フェスティバル運営サポート】【プロジェクトサポート】【自主活動】の 3 本の柱で、年間を通して活動。サポーターには、興味を持った段階でいつでも登録することができ、参加することができる。現在 300 名以上の登録があり、観客としてフェスティバルを体験するだけではない、多彩な取り組みを行っている。
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かんげきワークショップ部とは
F/Tサポーターの自主活動として、立ち上がったプロジェクト。全5回のワークショップを通して、「観劇体験を深めるワールド・カフェ」の「型」を学び、新たな可能性を実験しながら、オリジナルのワールド・カフェを開発。SPAC – 静岡県舞台芸術センターで2012年より開催している「静岡から芸術と社会について考える合宿ワークショップ」でもファシリテーターを務めるなど、芸術で対話の場をつくってきたファシリテーター・白川陽一を講師に迎えて活動している。
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