<特報>アヴィニョン演劇祭アンジェリカ・リデルの新作に日本人アーティストが出演

F/T15で開催したワークショップを経て、日本人アーティスト4名が出演!

 

アンジェリカ・リデルのワークショップ写真
F/T15アンジェリカ・リデルのワークショップ写真

性、暴力、狂気などをモチーフに、人間の魂の暗部を探求し、詩的な表現へと昇華させる鬼才アンジェリカ・リデル。F/T15の主催プログラムとして上演された『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』は日本の観客に大きな反響を与え、各種メディアでも大きく取り上げられました。その公演の4ヶ月前、リデルは記者会見にあわせて来日し、東京芸術劇場のリハーサル室にて6日間のワークショップを行いました。多数の応募者の中から自ら選んだ15名の俳優や特別ゲストとともに聖書の創世記を題材としたクリエーションを行い、最終日には1時間ほどの小作品が上演されました。
そしてこの度、このワークショップで出会った4名の日本人アーティストと共に、新作『「この剣で、わたしは何をする?」─法と美についての考察』を創作し、今年で70回目を迎えるアヴィニョン演劇祭で世界初演を迎えます。発売初日に全公演のチケットが完売したことからも、その話題作ぶりが伺えます。アヴィニョン公演の上演レポートは追ってF/T16公式HPで掲載予定。是非ご期待ください!

■公演概要

作品名:「この剣で、わたしは何をする?」─法と美についての考察
日程:2016年7月7日(木)~13日(水) 各日22時開演(9日(土)は休演日)
会場:Cloître des Carmes
上演時間:4時間(休憩あり)
言語:スペイン語、フランス語、日本語(フランス語字幕あり)

作、演出、美術、衣裳:アンジェリカ・リデル
出演:入江 平、菊沢将憲、アンジェリカ・リデル、グメルシンド・プシェ、菅江一路、立本夏山ほか
照明:カルロス・マルクリー
音楽:アントニオ・ナヴァロ
通訳・翻訳(西日翻訳):瀬々真紀子
翻訳協力(西日翻訳):田尻陽一

製作:Iaquinandi S.L.
共同製作:アヴィニョン演劇祭
協力:マドリード州、国際交流基金、フェスティバル/トーキョー

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公演詳細およびチケット取り扱いはアヴィニョン演劇祭のホームページをご覧ください。
リンク:
フランス語
http://www.festival-avignon.com/fr/spectacles/2016/que-hare-yo-con-esta-espada
英語
http://www.festival-avignon.com/en/shows/2016/que-hare-yo-con-esta-espada

・アンジェリカ・リデル Angélica Liddell

アンジェリカ・リデル

作家、演出家、俳優
1966年スペイン生まれ。1993年にグメルシンド・プチェと共にアトラ・ビリス・テアトロを設立。性、死、愛、権力、狂気、宗教などを通じ、個人の意識や魂の奥底を見つめることから人間や社会をとらえる作品を作り続けている。混沌と美が共存する詩的かつ過激な舞台は、2013年にオープニングを飾ったウィーン芸術週間をはじめ、アヴィニョン演劇祭、パリ・オデオン座などヨーロッパの主要なフェスティバルや劇場に招聘され、ヨーロッパの演劇シーンで常に高い注目を集めており、2012年『La casa de la fuerza』で「スペイン劇文学国家賞」、2013年ヴェネチア・ビエンナーレ国際演劇祭にて「銀獅子賞」を受賞。『地上に広がる大空(ウェンディ・シンドローム)』の製作過程を追ったドキュメンタリー映画『ANGÉLICA [UNA TRAGEDIA]』(Manuel Fernández監督)が2016年4月に公開された。

日本人アーティストプロフィール

・入江 平 Taira Irie

入江平写真

土方巽の『疱瘡潭』に刺激を受け、アスベスト館にて舞踏を始める。上杉満代、笠井叡、室伏鴻らに師事。インディペンデントな活動を主に、20年間にわたり舞踏の可能性を探求している。それとともに元藤 燁子、工藤丈輝、雫境ら他の舞踏家やDMBQ、ImproIBAら音楽家、美術家の尾関立子、劇団解体社、Parallel theatreなど国内外様々なジャンルとのコラボレーションも積極的に行っている。主なソロ作品に『黄色のその夫人』、『翌朝未明、遂に捕獲された其の火星人たちへ』、『人間そっくり(安部公房著)』。近年では『静物objectシリーズ』を中野テルプシコールほか都内各所の小劇場で継続中。http://www.irietaira.com

・菊沢将憲 Masanori Kikuzawa

菊沢将憲の写真

北九州市門司出身。1995年「空間再生事業 劇団GIGA」に入団し、2000年より主宰となる。現在はフリーの役者・劇作家・演出家として活動し、野田秀樹作品には常連のアンサンブルキャストとして『ザ・キャラクター』より現在まで参加している。他にもノゾエ征爾、小野寺修二、矢内原美邦、黒田育世、康本雅子などの作品に出演。映像監督としても活動しており、監督作品『親父と俺、ただ面白く生きる也。』で日韓ムービーアワード2009/日韓海峡圏映像賞を受賞した。http://kikuzawa1974.blogspot.jp/

・菅江一路 Ichiro Sugae

菅江一路の写真

1990年兵庫県西宮市出身。中学でボアダムスに影響を受けノイズバンドを始める。岐阜の中学生ドクドクとネットの掲示板を通じて出会いウイルスレーベル関西支部を立ち上げ、ウイルスレーベル第3弾オムニバス『Mr. Alternative』を監修する。大学進学を機に上京しダンスを始め、青木尚哉、平原慎太郎に師事。大学を中退後、2011~14年まで「Noism2」に所属。金森穣、山田勇気、稲尾芳文らの作品に出演。2014年から東京に拠点を移し、平原慎太郎率いる『OrganWorks』に参加。スペインのダンスフェスティバルであるMadrid en Danzaに出演したほか、岡登志子、野上絹代等の作品にも参加している。

・立本夏山 Kazan Tachimoto

立本夏山の写真

1982年静岡県生まれ。18歳にて文学座演劇研究所に入所。その後、劇団四季、流山児☆事務所、俳優座演劇研究所を経て重力/Noteに参加。退団後はひとり芝居、アーティストとのコラボレーションなど幅広く活動する。古典から現代劇、コンテンポラリーダンスなど幅広いレパートリーに対応する俳優。舞台では独特な大きな存在感と高い技術を発揮する。2014年 Arts Chiyoda 3331 千代田芸術祭 パフォーマンス部門『おどりのば』にて伊藤千枝賞受賞。近年では一人芝居に多く取り組み、フェルナンド・ペソーア作『海のオード』太宰治作『駈込訴え』チェーホフ作『煙草の害について』アントナン・アルトー作『神の裁きと決別するため』など、多くの作品に挑戦している。