• 2014年11月30日
    フェスティバル/トーキョー14は閉幕いたしました。たくさんの方にご来場いただき、心より御礼申し上げます。

シンポジウム 「アートにおける多様性をめぐって」

date

11月16日(日)、11月24日(月・祝)

venue

テーマ1:東京芸術劇場 アトリエイースト
テーマ2、3、4:東京芸術劇場 シアターウエスト

ticket

テーマ1:入場無料/要予約/定員50名(先着順、定員に達し次第終了)
テーマ2、3、 4:各回500円(予約優先、当日共通)

schedule

11/16(日)テーマ1. 19:00-21:00
11/24(月・祝)テーマ2. 13:00-15:00
11/24(月・祝)テーマ3. 16:00-18:00
11/24(月・祝)テーマ4. 19:00-20:30

※受付開始、開場ともに30分前。

F/T14のプログラムを具体例に、舞台芸術の新しい潮流を読み解く。各テーマにおける第一線の実践者や理論家を迎えて、その思想や問題意識、そして創作の最前線に迫る。

テーマ1: 韓国多元(ダウォン)芸術、その現状と可能性

パネリスト:キム・ソヨン、パン・ヘジン、イ・スンヒョウ

司会:植松侑子(フェスティバル/トーキョー)

date

11月16日(日) 19:00-21:00

venue

東京芸術劇場アトリエイースト(まなびのアトリエ)

ticket

入場無料/要予約/定員50名(先着順、定員に達し次第終了)

多元芸術とは、英語ではInterdisciplinary Art(=多分野にまたがる芸術)、もしくはMultidisciplinary Art(=多くの領域にわたる芸術)と訳され、演劇、ダンス、映画、美術、文学、音楽、コミュニティーアートまで含む様々な芸術分野が混在したハイブリッドなジャンルのことを指す。この言葉が韓国で使われ始めたのは2000年代前半からで、もともとは舞台芸術において既存のジャンルで括れない作品を指すための文化行政用語として生まれたものである。既存のカテゴリー以外はすべて多元芸術に含むことができるため、その定義づけは困難とされているが、最終的な成果物としての作品形態を既存の枠に収める必要がなく、自由な発想・表現で物事を解釈・創造することが可能であるため、現在注目すべきアーティスト/作品がこのジャンルから次々と誕生している。社会的なテーマを扱う作家が多いことも特徴のひとつに挙げられるだろう。本シンポジウムでは、評論家・翻訳者でありながら自身も多元芸術プロジェクトを企画するパン・ヘジン、多元芸術に関する政策を研究するキム・ソヨン、国際多元芸術フェスティバルのディレクターのイ・スンヒョウを招き、韓国で多元芸術が生まれた背景を紐解きながら、韓国の同時代舞台芸術界に与えた影響、そしてこの流れはどこへ向かうのか、韓国の多元芸術の最先端を追う。

パネリストプロフィール

 

パン・ヘジン【韓国】

評論家、企画・制作者、翻訳家

舞台芸術と映画、現代アートなど様々な分野を横断しながら評論活動をしており、韓国の評論紙「客席」とソウル国際舞台芸術フェスティバル(SPAF)で評論賞を受賞した。最近は作品制作や企画にも携わり、国立現代舞踊団のプロジェクト「ダンスが語る:Cross Cut」のドラマトゥルク、「迂回空間」の演出、「¡No Dance!: Between Body and Media」展の企画を担当した。現在多元芸術プロジェクト「認識障害劇場Hypermetamorphosis Theatre」を準備している。「カール・テオドア・ドライヤー」、「ロベルト・ロッセリーニ」など著書・翻訳書多数。

 

キム・ソヨン【韓国】

批評家、雑誌「演劇評論」編集委員

韓国芸術総合大学演劇院卒業。批評家として活動しながら「カルチャーニュース」、「Weekly@アートマネージメント」の編集長を務めた。現在は演劇雑誌「演劇評論」の編集委員を務めている。アーツ・カウンシル・コリアが多元芸術の枠組みを作った2005年から09年まで多元芸術委員会の委員を務めるなど、多元芸術に関する政策を研究している。

 

イ・スンヒョウ【韓国】

フェスティバル・ボム ディレクター

1984年ソウル生まれ。2009年から東京に滞在しながら『フェスティバル/トーキョー』や「十六夜吉田町スタジオ」のアジア関連事業に関わる。韓国の多元(ダウォン)芸術とアートフェスティバルをテーマとする研究者としても活動中。2013年7月に『フェスティバル・ボム』の第2代目ディレクターに就任し、韓国と日本を拠点に活動している。

 

テーマ2: 日本におけるドラマトゥルクの10年

パネリスト:長島 確、横山義志、平田栄一朗、横堀応彦

司会:市村作知雄

date

11月24日(月・祝) 13:00-15:00

venue

東京芸術劇場 シアターウエスト

ticket

500円(予約優先、当日共通)
2005年東京国際演劇祭(TIF)において「ドラマトゥルクの可能性を巡って」と題されたシンポジウムが開催されてから約10年が経った。この間、2010年には平田栄一朗著『ドラマトゥルク』(三元社刊)が出版されるなど、日本においてドラマトゥルクという仕事は広く知られるようになったといってよい。そもそもドラマトゥルクとはレパートリーシステムを有すドイツ語圏の公立劇場において雇用されている職分だが、芸術創造環境の異なる日本の演劇現場においては主に「演出家のパートナー」という形で認識されてきた。このような「クリエイション型のドラマトゥルク」としての側面が強調される一方で、ドラマトゥルクが他方で持つ、劇場やフェスティバルの方針を考えプログラミングする「制作型のドラマトゥルク」としての側面についてはあまり注目されて来なかったのではないだろうか。本シンポジウムでは前者の側面において多くの経験を有する長島確、後者の側面において日本で唯一公立劇場に勤務している横山義志に加え、『ドラマトゥルク』の著者である平田栄一朗、ドイツの高等教育機関でドラマトゥルクとしての研鑽を積んだ横堀応彦の計4名が日本におけるドラマトゥルクの10年を振り返り、現状と今後の可能性について議論する。

パネリストプロフィール

 

長島 確

ドラマトゥルク・翻訳家

1969年生まれ。日本におけるドラマトゥルクの草分けとして、コンセプトの立案から上演テキストの編集・翻訳・構成まで、身体や声とともにあることばを幅広く扱う。阿部初美、中野成樹らとの活動に加え、近年は『墨田区/豊島区/三宅島在住アトレウス家』『長島確のつくりかた研究所』(東京アートポイント計画)など劇場外でのアートプロジェクトも主導。

 

横山義志

静岡県舞台芸術センター(SPAC)文芸部

1977年千葉市生まれ。2000年からフランスで演劇学を学ぶ。2007年、SPAC-静岡県舞台芸術センター制作部に配属。2009年に同文芸部へと転属。以来、主に海外招聘プログラム(国際演劇祭のための調査・演目提案や海外のアーティストとのやりとりなど)を担当。演劇学博士(パリ第10大学)、学習院大学非常勤講師。専門は西洋演技理論史。論文に「アリストテレスの演技論」、翻訳にポムラ『時の商人』など。

 

平田栄一朗

慶應義塾大学文学部教授

演劇学・ドイツ演劇研究。1997年慶應義 塾大学文学研究科博士後期課程満期退学後、同大学助教授を経て2012年より現職。主な著訳書『ドラマトゥルク』(三元社、AICT第16回演劇評論 賞)、『Theater in Japan』(共編著、Theater der Zeit社)、『パフォーマンスの美学』(共訳書、論創社)、『ポストドラマ演劇』(共訳書、同学社)。

 

横堀応彦

ドラマトゥルク、フェスティバル/トーキョー14ディレクターズコミッティ

1986年生まれ。東京藝術大学大学院音楽研究科博士後期課程修了。ライプツィヒ音楽演劇大学においてドラマトゥルギーを専攻。2014年5月にベルリンHAU劇場で開催された日本特集フェスティバル「ジャパン・シンドローム」では制作スタッフを務めたほか、東京芸術劇場や日生劇場のオペラ公演においてドラマトゥルクとして参加している。現在、東京藝術大学大学院専門研究員、アーツカウンシル東京調査員(音楽・演劇分野)。

 

テーマ3: 中国・北京――同時代の小劇場演劇シーン

パネリスト:タオ・チンメイ、スン・シャオシン

司会:小山ひとみ

date

11月24日(月・祝) 16:00-18:00

venue

東京芸術劇場 シアターウエスト

ticket

500円(予約優先、当日共通)
昨年、中国の小劇場にフォーカスした本をそれぞれ出版した2名の演劇批評家がいる。雑誌『Beijing Culture Review』の副編集長も務めるタオ・チンメイは、著書『小劇場三十年(1982−2012)』(《当代小剧场三十年(1982-2012)》,”A Thirty-year Review of Experiment Theatre in China: 1982-2012”)のなかで、80年代から近年までの中国における「小劇場」の流れを学術と市場の側面から俯瞰した。80年代の「小劇場」の動き、80年代末から90年代に新たに生まれた実験演劇の動き、2000年以降の民間の投資による「小劇場」の動き、2007年にスタートした北京フリンジフェスティバルが生んだ若手の演出家の存在などを紹介している。20代の批評家スン・シャオシンは、著書『Re-Theatre インディペンデント演劇の都市地図』(《再剧场-独立戏剧的城市地图》,” Re-Theatre: The Independent Theatre Cities Map”)で、北京、上海、広州の小劇場やインディペンデントで活動する劇団、評論家などを総括的に紹介。劇場のディレクターや演出家、評論家を学術的に紹介するだけでなく、劇場の建築デザイン図、舞台や照明の図面、脚本、演出家のメモなどを掲載することで、読者にインディペンデントで活躍する演劇人のリアルな姿を見せる。本シンポジウムでは2人の著書の内容を足がかりに、中国・北京の同時代演劇の最先端、そして検閲や制度上の問題などリアルな演劇事情に迫る。これまでなかなか知ることのできなかった北京の小劇場演劇、インディペントの演劇シーンを知る貴重な機会となるだろう。

パネリストプロフィール

 

タオ・チンメイ【中国】

中国社会科学院副研究員、雑誌『Beijing Culture Review』副編集長、演劇評論家

1974年生まれ。北京師範大学で中国語学部を専攻し博士号を修めたあと、2000年より中国社会科学院(中国の哲学及び社会科学研究の最高学術気候であり、総合的な研究センター。中国政府のシンクタンクとして大きな影響力をもつ)に所属。2009年から2010年まで、コロンビア大学東アジア研究所にて訪問学者として所属。著書に『刹那の中で―頼声川の舞台芸術』(2003年)、『小劇場三十年(1982−2012)』(2013年)がある。

 

スン・シャオシン【中国】

評論家、劇作家、演出家、天津音楽学院講師

1986年生まれ。北京の中央戯劇学院で劇文学の学士を取得後、現在、天津音楽学院演劇映像学部で講師を務めながら中国演劇史と理論を修士課程にて研究している。Golde Hedgehog大学演劇フェスティバル、北京フリンジフェスティバル、北京南鑼鼓巷演劇フェスティバル、烏鎮演劇フェスティバル、上海外灘美術館の展示『From Gesture to Language』、香港のSmall Theatre Big Drama Asia Dialogue、TPAM in Yokohama 2014などに招聘されている。著書に『Re-Theatre インディペンデント演劇の都市地図』(2013年)がある。

 

テーマ4: 都市が育むアート

パネリスト:熊倉純子、根本ささ奈、桑谷哲男

司会:市村作知雄

date

11月24日(月・祝) 19:00-20:30

venue

東京芸術劇場 シアターウエスト

ticket

500円(予約優先、当日共通)

1990年以降、現代美術を中心に都市や集落の中での作品展示や芸術祭、社会実験的な活動など、多種多様な活動が「アートプロジェクト」という名のもと日本各地で展開されてきた。これらの活動は「まちづくり」や「地域振興」「ツーリズム」などとも結びつき、現代美術以外の分野からも注目を集めている。

近年のアートプロジェクトは、作品を展示することにとどまらず、地域や社会の中に入り込み、プロセスを積極的に公開するものや、地域住民やボランティアの存在が不可欠なものが多く見られ、芸術家だけでなく、さまざまな人が関与して成立することが特徴と言えるだろう。これはつまり、地域やコミュニティによってアートが育まれてきたとも言えるのではないだろうか。

また、舞台芸術においても、近年劇場から飛び出して都市空間の中で上演される作品や、地域住民と共に作品を創作する取り組みなど、さまざまな試みが行われてきている。それらは、賑わいの創出や地域のコミュニティづくりと結びつけられることが多いが、これもまた地域やコミュニティとの関わりの中でアートが育まれているとも言うことができるだろう。

本シンポジウムでは、取手アートプロジェクトをはじめ様々なプロジェクトに携わりながら芸術と社会の関わりを研究し、『アートプロジェクト 芸術と共創する社会』などの書籍も監修している熊倉純子、地域に根差した文化活動の拠点として舞台芸術を中心に様々なプログラムを展開する杉並区立杉並芸術会館「座・高円寺」館長の桑谷哲男、全国の市民グループやアートNPO、企業が協働して開催するアートの祭典「アサヒ・アート・フェスティバル」を担当してきた根本ささ奈を招き、アートプロジェクトと舞台芸術、両方の観点から、都市やコミュニティとの関わりの中で育まれるアートの現在と、その可能性についての議論を深める。

 

パネリストプロフィール

 

熊倉 純子

東京芸術大学音楽環境創造科教授

(社)企業メセナ協議会事務局勤務を経て2002年より現職。取手アートプロジェクト(茨城県)、アートアクセスあだち(東京都)など、地域型アートプロジェクトに携わりながら、アートマネジメントと市民社会の関係を模索し、文化政策を提案する。著書に『アートプロジェクト―芸術と共創する社会』(監修。水曜社、2014年)など。

 

根本 ささ奈

アサヒグループホールディングス(株) 広報部門

1999年、アサヒビール(株)入社。大阪支社での営業職を経て、2002年9月より12年間、メセナを担当。さまざまにパートナーシップを組み、アサヒ・アート・フェスティバル、アサヒ・アートスクエア、すみだ川アートプロジェクト、ロビーコンサートなどを展開。また、舞台、美術、音楽などの現場を広く回り、全国のアートプロジェクトを多数訪ね、コミュニケーションを育みながらメセナを推進した。本年9月より現職。

 

桑谷 哲男

杉並区立杉並芸術館「座・高円寺」館長

日本大学芸術学部演劇学科卒。大学在学中より日生劇場で舞台照明家としてスタートし、「自由劇場」や「黒色テント」をはじめ舞踏などの照明デザインを国内外で行う。「長野県県民文化会館」舞台技術チーフ、「世田谷パブリックシアター」テクニカルマネージャー、「可児市文化創造センター」館長を務め、現在に至る。この間、運営評価委員、設計コンペ審査委員、シンポジウムのパネラーなどを歴任するほか、日大演劇学科などの非常勤講師。新しい公立文化施設のあり方について、積極的なかかわりと提言を行う。

 

マップ

東京芸術劇場

東京都豊島区西池袋1-8-1
TEL. 03-5391-2111(代)

JR、東京メトロ、東武東上線、西武池袋線「池袋駅」。
西口より徒歩2分(「池袋駅」2b出口と直結)

google mapで見る

メニューを閉じる

  • TWITTER
  • FACEBOOK
  • YOUTUBE
  • NEWSLETTER
11月01
  • 池袋エリア
  • 西巣鴨エリア
  • 浅草/品川エリア
11月01