11月7日(月)16:00~「なにもない空間からの朗読会」第9弾 平田オリザ演出・出演『賢治の祈り』

平田オリザは「なにもない空間からの朗読会」のテーマに自らの朗読とトークという形で応答します。宮沢賢治・井上ひさしの作品から抜粋して朗読、さらに今回の震災であらためて浮かび上がってきた賢治の思いとは何であったのか、また『ソウル市民 昭和望郷編』で取り上げた賢治の負の側面について語ります。平田オリザ自ら朗読する希少な機会をお見逃しなく!
会場は『ソウル市民五部作』を上演中の吉祥寺シアター。朗読会は『ソウル市民1919』の開演前に行います。合わせてご覧ください。

■平田オリザ 
『賢治の祈り』
日時:2011年11月7日(月)16:00~ (開場15:30~)
会場:吉祥寺シアター
〒180-0004 東京都武蔵野市吉祥寺本町1-33-22
入場無料・予約不要・自由席(定員170席程度)
上演時間:約60分
演出・出演:平田オリザ 
朗読テキスト:『農民芸術概論網要』『グスコーブドリの伝記』『雨ニモ負ケズ』(以上宮沢賢治)『イートハーボの劇列車』(井上ひさし)より抜粋。

「なにもない空間からの朗読会」サイト:
http://festival-tokyo.jp/program/Nanimonai/index.html#a03

*当日の模様はUSTREAMで配信されます。 
http://www.festival-tokyo.jp/movie/

平田オリザKのコピー.jpgのサムネイル画像

■作品ノート
以前から決まっていた仕事ではあったのですが、震災後の6月初旬、岩手大学開学記念の催しとして「賢治の祈り」という講演を行いました。
賢治は何故、「職業芸術家は一度亡びねばならぬ」と言ったのか、賢治が岩手県に残したものは何だったのか。それは願いでも夢でもなく、祈りのようなものではなかったかと私は考えます。
もう一点、宮沢賢治が、あと5年、あるいは10年長く生きていたら、戦争詩を書いていたかどうか、それが私は若い頃から、どうにも気になって、そのことを幾度か作品にも書いてきました。『ソウル市民・昭和望郷編』は、特にそのことを強く扱った作品です。
祈りは、時に人を傷つけます。
「宗教だけでは熱すぎる、科学だけでは冷たすぎる、賢治はその間に芸術を置いた」と言い続けた井上ひさしさんの言葉を読みながら、このことを少し考えてみたいと思います。
平田オリザ 

■プロフィール
平田オリザ|青年団主宰・劇作家・演出家(F/T09春・F/T10参加)
平田は、大学在学中に劇団「青年団」を旗揚げし、以来、一貫した演劇方法論によって、 持続的な活動を続けてきた。平田の提唱する「現代口語演劇理論」という実践的で新しい演劇理論は、『現代口語演劇のために』などの著作にまとめられ、90年代以降の演劇界に強い影響を与え続けている。
また、平田自身が支配人を務める「こまばアゴラ劇場」は、青年団の本拠地であるばかりではなく、日本全国の劇団のほか海外の劇団との相互交流をはかる現代演劇の発信地となっている。平田は、フェスティバル・ディレクターを務めてきた大世紀末演劇展などを通じて、20年近くにわたって、地域の演劇を東京の観客に紹介してきた。 さらに近年は、合同プロジェクトやワークショップを通じて、フランスをはじめ韓国、オーストラリア、アメリカ、アイルランド、カナダなど海外との交流も深まっている。また、2002年度から採用された国語教科書に掲載されている平田のワークショップ方法論により、年間で30万人以上の子供たちが、教室で演劇を創るようになっている。他にも障害者とのワークショップ、地元の駒場ほか、各自治体やNPOと連携した総合的な演劇教育プログラムの開発など、多角的な演劇教育活動を展開している。


■「なにもない空間からの朗読会」について
私たちは何を語ることができるのか?  F/T11を貫くこの問いかけに、過去3回のF/Tに参加したアーティスト有志が応答。「何もない空間から」をコンセプトに、一夜限りの朗読会を、都内各所でリレー開催します。参加するアーティスト10名はそれぞれ、詩、戯曲、小説、あるいは自作のテキストなどを選定。さらに、都市の中に「なにもない空間」を見出し、その場、その時限りの朗読会を作り出します。そこに響く言葉、声、そして身体の力を媒介に、私たちは失われたものに思いをはせ、未来に向けて生み出されるものへと連帯を深めることになるでしょう。
朗読会の様子は、そこに集う来場者のみならず、UST中継によって、この言葉と時間を必要とする人たちに広く届けられることを目指します。
2011年秋を静かに紡ぐ、特別な時間と空間に、ぜひお立ち会いください。

参加アーティスト:
やなぎみわ9/24(土)、黒田育世9/27(火)、伊藤キム10/16(日)、松井周10/22(土)、快快10/26(水)、相模友士郎10/29(土)、松田正隆11/2(水)、地点11/4(金)、平田オリザ11/7(月)、勅使川原三郎11/12(土)

※ 本企画は、過去3回のF/T参加アーティスト有志の協力により、入場無料で開催しております。
ご鑑賞いただいた皆様には、東日本大震災の被災地に向けた募金へのご協力をお願い申し上げます。
集まった募金は全額、メセナ協議会が運営する「芸術・文化による復興支援ファンドGBFund」に寄付し、被災者・被災地を応援する芸術文化活動への支援とさせて頂きます。