神の末っ子アネモネ

作:松井周
演出:キム・ジョン
原案:ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ「夢の劇」

F/T19『ファーム』で出会った日韓コンビ が再タッグを組む新作。
コスプレイヤーの眼に映る“人間界”とその未来とは─

緻密な心理描写と大胆な空想力、遊び心が隣り合う演出で人気を集める韓国現代演劇の新鋭、キム・ジョン。虚構を重ねることを通し、人間とその社会のありようをむき出しにする劇作家、松井周。異なる言語、文化、個性を持つ二人が、F/T19『ファーム』(作:松井周/演出:キム・ジョン)での出会いを経て、初めての新作クリエーションに臨む。

混迷する世界の現在に向き合うために、二人が選んだ題材は、アウグスト・ストリンドベリの『夢の劇』(1902)。人間界に降り、その暮らしを体験する“神の娘”の眼に映る物事をつづった近代古典を、「コスプレ」を始めとする現代カルチャーを通じて読み直し、再構築していく。人の世に揉まれ、次第に疲れ、その場を去ることとなるヒロインの姿に私たちは何を見出すだろう。

※あうるすぽっとでの上演に向けて準備を進めて参りましたが、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴いキャスト、スタッフの来日が難しくなったため、韓国で事前に上演・収録を行ったものを配信へと変更になりました。

アーティスト・コメント

松井 周

原作である『夢の劇』の主人公は「神の娘」です。みじめな人間たちの世界を見て回るのに、奇跡も起こせません。この「無力感」を救いたい。というか、この「無力感」こそが救いと考えて自分なりの妄想を加えて作品を書いています。今回のコロナ禍においては、私たちはたびたびこの「無力感」に襲われているはずです。でもそれでも人や動物や植物や光や熱や音や味を求めることをやめられなくないですか?今まで気づかなかった欲求に気づくことはないですか?去年のF/Tで拙作『ファーム』を力強く蘇らせてくれた演出家キム・ジョンさんに再び遊んでもらえるように、何よりみなさまに、愛嬌のある「無力感」を味わってもらえるように書き上げます。ご期待下さい。


キム・ジョン

「出会いのない演劇」
会えない時代、やっと一つひとつ の舞台作品を作り上げながら、毎回別れをする気持ちになります。 いつまた会えるだろうか。未来には演劇なんか消えてしまい、まるで昔話の中に存在する夢のようなものになってしまうのではないか。
F/Tは、私にとって何も恐れず挑戦し、思いっきりやってみ ることができる、かけがえのない場所でした。
舞台は、精一杯走り回れる野原であり、限りなく飛んでいける青空でもありました。
我々は今「克服」を語り合っていますが、出会いのない演劇に何の意味があるだろうかと自信がなくなってしまいます。現実が演劇になり、演劇が夢になってしまった時間、出会いのない演劇はいったいどのような形になるでしょうか。

公演情報

公演名 神の末っ子アネモネ
日程 配信期間:
11/2 (Mon) 12:00 - 11/15 (Sun) 23:55
会場 F/T remote(オンライン配信)
上演時間 約100分
上演言語 韓国語上演(日本語・英語字幕)

オンライン視聴チケット

F/T remote
(オンライン配信)
¥1,500

F/Tチケットセンター

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(11/15 19:00まで)

アーティスト・プロフィール

松井周

松井 周(作)

劇団青年団に俳優として入団後、劇作・演出家としても活動を開始。2007年『カロリーの消費』で劇団サンプルを旗揚げ、独立。現実と虚構、モノとヒトなど、あらゆる境界線、既成概念を疑い、揺るがすことを試みる。11年『自慢の息子』で岸田國士戯曲賞を受賞。16年『離陸』で関渡芸術祭(台湾)に、18年『自慢の息子』でフェスティバル・ドートンヌ・パリ(フランス)に参加。キム・ジョン氏とは19年『ファーム』に続いてのクリエーションとなる。

キム・ジョン

キム・ジョン(演出)

俳優、演出家、作家、スタッフが集い、あらたな劇言語の創造を目指すコレクティブ「プロジェクト・ホワイル」のメンバー。緻密な戯曲解釈と大胆な演出手法を両立させる、韓国演劇の新鋭として注目され、日本でも『ファーム』のほか、『お客さんたち』(鳥の演劇祭11/2018)を上演、オムニバス公演『芥川龍之介をめぐる3つの小作品』(BeSeTo演劇祭26/19)にも参加している。ドゥサン・アーティストアワードパフォーマンス部門(18)、東亜演劇賞新人演出家賞(17)受賞。

フォトギャラリー

キャスト・スタッフ

 
松井 周
演出 キム・ジョン
原案 ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ「夢の劇」
出演 イ・エリン、カン・サンギュ、クォン・スンロク、イム・ヨンジュン、キム・ギルチャン、パク・ジョンテ、パク・ヒョンスク、イム・ミジョン、キム・ジヒ、イ・チュンウ、カン・アリム、キム・ヒユン、チョン・ダウン、ユク・セジン、ファン・ソンヨン、ヨン・ジュハ、ノ・ミンヒョク、チャン・ジョンソン
プロデューサー ノ・ウンヨン
制作 チョ・ハナ
美術 ナム・ギョンシク
照明デザイン シン・ドンソン
衣装デザイン キム・ウソン
メイク ペク・ジヨン
作曲/ピアノ演奏 チェ・ソクジン
音楽監督 ジミ・セル
振付家 イ・ジェヨン
音響 チョン・ミンベ
舞台設営マネージャー イ・ミュクス
照明アシスタント ホン・ユジン
音響アシスタント パク・ジョンホ
大道具 エステージ
映像撮影 ヨンドゥ・ピクチャーズ
イラストレーター キム・グニェ
グラフィックデザイン カン・ジウ
フォトグラファー ユ・ギョンオ

 
韓国語翻訳
日本語字幕監修
イ・ホンイ
企画協力
日本語字幕編集
前原拓也
英語翻訳
英語字幕編集
ジョン・タウンゼント
字幕コーディネート 水野明人(舞台字幕/映像 まくうち)
制作 鈴木千尋(フェスティバル/トーキョー)
制作協力 イ・ドヨン

 
協力 劇団サンプル、有限会社quinada
主催 フェスティバル/トーキョー

国際共同製作

フェスティバル/トーキョー、キョンギドシアターカンパニー

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