「ディレクター/ディレクションのこれから」
さまざまな業種で使われている「ディレクター」「ディレクション」という言葉。舞台芸術においては、「演出家」という役割が近代以降に誕生し、いまや創造の中心をつかさどる存在となっています。このトークプログラムでは、従来のいわゆる「演出家」とは異なる働きをしているアーティストをゲストに迎え、F/Tのディレクターとともに、これからの「演出(家)」について語り合います。

「背景? 前景?」
作品には、それが生まれてくる背景があります。その「背景」は、アーティストの個人的なものであると同時に、社会的、時代的、文化的、政治的、等々、さまざまな広がりを持っています。切り落とされがちな「背景」に注目し、それを前景化することで見えてくる、豊かな広がり、作品や創作の別のパースペクティブを探ります。

プログラム情報

公演名 ディレクターズ・ラウンジ
会場 東京芸術劇場 アトリエイースト
日程

「ディレクター/ディレクションのこれから」

10月25日(木)16:00 吉開菜央
10月27日(土)16:00 ハラサオリ
10月28日(日)16:30 相模友士郎 ※時間が変更になりました
10月29日(月)19:00 マグダ・シュペフト ※逐次通訳あり
11月08日(木)19:00 額田大志 

「背景? 前景?」
10月24日(水)19:00 ムハンマド·アル=アッタール ※逐次通訳あり
11月09日(金)17:00 ダリウス・コシニスキ ※逐次通訳あり

※その他、複数回開催。
※スケジュール・登壇者などの詳細は追加が決定次第、こちらのページにて発表します。

一般 入場料(各回):500円

「ディレクター/ディレクションのこれから」

登壇者

©️Natsuki Kuroda

ダンサー・振付家・映画作家吉開菜央

生き物ならではの身体的な感覚・現象を素材に、「見て、聴く」ことに集中する時間を映画にしている。新作触覚映画《Grand Bouquet / いま いちばん美しいあなたたちへ》がNTTインターコミュニケーションセンター[ICC]にて展示上映中(2019年3月11日)。2015年に監督した映画『ほったまるびより』が第19回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門新人賞を受賞。映画の制作の他、MVの監督、ダンスの振付も行っている。 http://naoyoshigai.com/

©︎Sylvia Steinhäuser

ダンサー・美術家ハラサオリ

2012年よりベルリンを拠点として作家活動を開始、以来「アフォーダンス」をテーマとして、サイトスペシフィックな空間における即物的身体の在り方を探求している。近年ではダンサーであった実父との生別/死別を扱ったドキュメンタリー作品「Da Dad Dada(ダダッドダダ)」を日本とドイツの二カ国で発表。またその静物的佇まいと動物的躍動感を兼ね備えた身体を活かし、ライブ、MV、TV番組などへも多数出演。2017年度ポーラ美術振興財団派遣海外研修員。東京芸術大学デザイン科、ベルリン芸術大学舞踊科修了。
halasaori.com

演出家相模友士郎

1982年福井生まれ。2009年に伊丹に住む70歳以上の市民との共同制作舞台『DRAMATHOLOGY』を発表し、翌年フェスティバル/トーキョーに正式招聘される。ダンス作品『天使論』をTPAM in YOKOHAMA 2012にて発表。最近の作品に、『スーパーインポーズ』(16年)、ダンサーの佐藤健大郎との共同制作による『ナビゲーションズ』(14年~) など。様々なコミュニティの中に入り込み、そこにいる人々と共同しながら、見るという身体的経験を問い直すような舞台作品を発表している。
http://sagami-endo.com/

マグダ・シュペフト

1990年、ポーランド、イェレニャ・グラ生まれ。演劇の演出家であり、また多くのインスタレーションやパフォーマンスを発表している。ジャーナリズムとクリエイティブライティングの専門性を用いてのソーシャル・コミュニケーションをヴロツワフ大学で学び、後にクラクフ国立演劇大学演出専攻に入学。演出家としてのキャリアをスタートさせる。 またシュペフトは創作活動において総合的な芸術作品を創ることに興味をもっており、強烈でもあると同時に私的なものであるもの、誠実で感情的な経験とシュルレアリスム、抽象的な世界の境界線でバランスを保ちながら、人間以外の視点や現実を記述するための自明でない方法を模索している。F/TとTRワルシャワ劇場(ポーランド)との共同製作作品リサーチのため、アダム・ミツキェヴィッチ・インスティチュートのサポートで今秋約1ヵ月に渡り日本に滞在予定。

©comuramai / takaramahaya

額田大志

作曲家・演出家・劇作家 1992年東京都出身。東京藝術大学在学中に、8人組バンド『東京塩麹』を結成。ミニマルミュージックにテクノやヒップホップなどを内包したサウンドは、NYの作曲家スティーヴ・ライヒから「素晴らしい生バンド」と絶賛された。2018年、FUJI ROCK FESTIVALへ出演。 同じく在学中に舞台作品へ傾倒し、演劇カンパニー『ヌトミック』を結成。音楽と演劇をシームレスに行き来しながら活動を続ける。これまでに第16回AAF戯曲賞大賞、こまばアゴラ演出家コンクール2018最優秀演出家賞を受賞。

「背景? 前景?」

登壇者

ムハンマド·アル=アッタール

ダマスカス生まれの劇作家。大学で英文学を専攻したのちダマスカス高等舞台芸術学院に演劇を学ぶ。卒業後、ロンドンのゴールドスミス・カレッジで 応用演劇学を学び修士号を取得。近年の作品では、2011年のシリア革命とそれに続く騒乱と向き合い続けている。ほとんどをシリア人演出家オマール·アブサダとの共同制作で作られる作品《Withdrawal》、《Online》、《Look at the street...this is what hope looks like》、《 Could You Please Look into the Camera?》《While I was waiting》などは世界各国の劇場や国際フェスティバルで上演されている。フィクションとドキュメンタリーの境界に設定されている舞台作品は、戦争のもたらす疲弊と困難に満ち、それに耐えることがどういうことかを表現する。最新作である《The Factory》は2018年の夏、ドイツのルールトリエンナーレで初演を迎えた。 劇作品の他にもシリア蜂起に焦点をあてた記事を雑誌や新聞に多数寄稿している。

協力:ゲーテ・インスティトゥート東京

ダリウス・コシニスキ

クラクフ・ヤギェウォ大学舞台芸術学部教授。 グロトフスキ・インスティチュート研究部長を務め(2010年-2013年)、2012年に出版された、イェジー・グロトフスキ選書編集メンバーでもある。2014年からはワルシャワのラシェヴスキ・シアター・インスティトゥートの研究部長。2010年に出版された『ポーランド演劇史』はドイツ語と中国語にも訳されている。最新の出版物には「スモレンスクでの大統領飛行機の陰謀」、グロトフスキの初期パフォーマンスについての2つの論文、パフォーマンス研究における随筆集が収録されている。

協力:アダム・ミツキェヴィッチ・インスティチュート

会場アクセス

東京芸術劇場

  • 住所:豊島区西池袋1-8-1
  • 電話:03-5391-2111(代)
  • JR他「池袋駅」西口より徒歩2分(駅地下通路2b出口と直結)

こちらもオススメ

11/18(Sun) ほか

あうるすぽっと ほか

トーク

美術

演劇

ダンス

日本

海外

F/Tステーション

10/23(Tue)-11/11(Sun)

東京芸術劇場 アトリエイースト