『実験と対話の劇場 - 新しい人 / 出来事の演劇 -』
参加アーティスト:演劇計画・ふらっと、 / シラカン / 関田育子 / 玉城大祐
キュレーション:松田正隆
11月3日(金・祝)~11月5日(日)
会場あうるすぽっと
日程A:シラカン / 関田育子
B:演劇計画・ふらっと、 / 玉城大祐

11/3(金・祝)
14:00 A+ディスカッション ●

11/4(土)
12:00 B+ディスカッション ☆
17:00 A+ディスカッション ★

11/5(日)
14:00 B+ディスカッション ★

【ディスカッションゲスト】
●=カンパニーメンバー×松田正隆×宮沢章夫
☆=カンパニーメンバー×松田正隆×宇野邦一
★=カンパニーメンバー×松田正隆×佐々木敦(批評家・HEADZ主宰)
※その回に上演を行ったカンパニーのメンバーが登壇します。

受付開始は開演の60分前、開場は30分前
上演時間135分(途中休憩15分あり)(予定)
ディスカッション:60分(予定)
言語日本語上演
一般発売自由席(整理番号つき)  一般前売2,500円/ 当日3,000 円、学生1,600円 ほかセット券あり
先行割引¥1,800
5演目セット¥2,000
3演目セット¥2,200
学生 ※当日券共通。当日受付で要学生証提¥1,600
高校生以下
※当日券共通。当日受付で要学生証または年齢確認可能な証明書の提示
¥1,000
© Tadashi Ueda
当日パンフレット(PDF)

いま、ここで、生まれ続ける「演劇」を捕まえる

 劇作・演出家で、立教大学でも教鞭をとる松田正隆が4組の若手アーティストに声をかけ、自身も強い関心を寄せる「出来事の演劇」をテーマにした実験と対話の場をひらく。
 参加するのはいずれも、劇や空間設計の文法そのものを自覚的に利用、解体、再構築する20代のつくり手。本企画では、それぞれが60分以内の作品を創作、2組ごとに発表し、ゲストを交えたディスカッションにものぞむ。
 目指すのは、単に戯曲の言葉を再現するのではない、その時その場で生まれる現象=「出来事」としての上演。それはまた、「戯曲を書き、上演する」という、ごく当たり前にも思える行為を解きほぐし、再検討することにもつながる。言葉、身体、空間、観客……演劇を構成するさまざまな要素、その間にある力学をいかに利用し、免れ、出来事を起こすか−−。つくり手と観客双方に新しい知覚、思考をもたらす探求と実践がここに始まる。

出来事の演劇宣言


 演劇の上演が、現実の出来事の模倣にとどまることなく、新たな意味の生成となること。これを私たちは「出来事の演劇」と呼ぶ。
 その空間では、身体や物体が変形を被るようなアクシデントや予想もつかないハプニングが起こるのではなく、「言葉と見えるもの」との結びつきが改変され、得体の知れない私たちの「生」そのものが創出されることが起こるのである。「生」そのものは未見の様相の持続を呈するが、演劇という厳密な構想力によって生まれたものであり、それは決して無秩序やカオスに陥ることはない。
 出来事の演劇は、俳優の演技と戯曲の再現から縁を切る。演劇の空間は、俳優の演技や戯曲に書かれた関係を見せる場所ではない。舞台の壁やそこにある身体は、演技や戯曲の表象に還元されない「力」を生み出す素材であり身振りである。
 「生」と「力」は、演劇において「言葉と見えるもの」を出来事の次元につくり直す。そのとき、石の中に流れる水があるように、過去と現在は混在し演劇の時間が顔を出すのだ。(松田正隆)


アーティスト・プロフィール


シラカン

 

焦るのが嫌だから
ゆらゆらと溺れているのに
肉も野菜も、魚も好きで
黒がカラフルに見えてくるのがシラカンです。

主な実績として2016年9月、『永遠とわ』が東京学生演劇祭にて審査員個人賞と大賞、佐藤佐吉賞2016にて優秀作品賞受賞。2017年2月、『永遠とわとは』が第2回全国学生演劇祭にて審査員賞・観客賞・大賞を受賞し、三冠を達成する。



玉城大祐

青年団演出部所属、こまばアゴラ劇場制作/プログラムオフィサー


1988年9月16日生まれ。大阪府豊中市出身。 京都教育大学教育学部卒業。2011年より京都のライブハウスを拠点にパフォーマンスを発表。3年間で上演した短編11本、長編2本全ての作・演出を担当。2016年より青年団演出部所属。


Photo:Saki Kojima


関田育子

 

1995年栃木県生まれ。立教大学現代心理学部映像身体学科、在学中。 2016年に、同学科教授・松田正隆氏が代表をつとめる「マレビトの会」のプロジェクト・メンバーとなる。 フェスティバル/トーキョー16 主催プログラム『福島を上演する』に演出部として参加する。 「映身展2017」では、演劇作品『自然劇場 A peep show』(作/演出)を上演した。


Photo:Tomoya Yanagida


演劇計画・ふらっと、

 

2017年、劇作・我妻直弥の戯曲を演出・福井歩が上演するために発足した演劇プロジェクト。寄り道するように演劇に関われる、つくり手・観客の立場を問わないフラットな創作・上演の場の構築をコンセプトとし、活動していく。


ディスカッションゲストプロフィール

宮沢章夫

<11/3(金)14:00>

1956年生まれ。劇作家、演出家、小説家。80年代半ば、竹中直人、いとうせいこうらとともに、「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」を開始。作・演出をすべて手掛ける。90年、演劇ユニット「遊園地再生事業団」の活動を始める。第二回公演『ヒネミ』で、93年、岸田戯曲賞受賞。舞台作品多数。他にもエッセイをはじめとする執筆活動、小説発表などで注目され、『サーチエンジン・システムクラッシュ』で芥川賞候補、『時間のかかる読書』で第21回伊藤整文学賞受賞。早稲田大学文学学術院教授。早稲田小劇場どらま館芸術監督。

宇野邦一

<11/4(土)12:00>

フランス文学者・批評家。著書に『アルトー 思考と身体』(白水社)、『ジャン・ジュネ−身振りと内在平面』(以文社)、『映像身体論』、『土方巽 衰弱体の思想』(みすず書房)、訳書にドゥルーズ『フーコー』、『襞』(河出書房新社)、ドゥルーズ/ガタリ『アンチ・オイディプス』、アルトー『神の裁きと訣別するため』、『タラウマラ』(河出文庫)、ベケット『伴侶』、『見ちがい言いちがい』(書肆山田)などがある。

佐々木敦

<11/4(土)17:00、11/5(日)14:00>

1964年生まれ。批評家。HEADZ主宰。ゲンロン批評再生塾主任講師。『ゴダール原論』『例外小説論』『未知との遭遇【完全版】』『批評時空間』『シチュエーションズ』など著書多数。最新刊として9月に『筒井康隆入門』、10月に『新しい小説のために』を刊行。

フォトギャラリー

F/T17『実験と対話の劇場』記録写真
演劇計画・ふらっと、『金星人』 撮影:松本和幸

F/T17『実験と対話の劇場』記録写真
シラカン『花擤んでふゆう』 撮影:松本和幸

F/T17『実験と対話の劇場』記録写真
関田育子『驟雨』 撮影:松本和幸

F/T17『実験と対話の劇場』記録写真
玉城大祐『その把注力で』 撮影:松本和幸

過去記録写真
  • シラカン『永遠とわとは』(17)
  • 玉城大祐『戎緑地』(17)

キャスト/スタッフ

演劇計画・ふらっと、 『金星人』 
我妻直弥
演出福井 歩
出演板橋咲季、田中章貴、永淵 樹、長谷川利穂子、平山瑠璃、増田祥基、川崎菜津子、我妻直弥、新家奈帆
照明松尾 元
音響編集虎岩 翔
制作寺内七瀬
  
シラカン 『花擤んでふゆう』 
作・演出西岳
出演青木幸也(シラカン)、橋本礼美、小竹 凛(劇団森)、近永知里、春木来智、村上さくら
演出助手桝永啓介
演出部石橋侑紀
美術市橋花菜子
照明早野宏美
音響山本果歩
衣裳工藤真由
小道具鈴木あさひ
制作芳野広太郎
  
関田育子 『驟雨』 
作・演出関田育子
出演新井絢子、大木宏祐、黒木小菜美、虎岩 翔、長田 遼、樋口 恋、和田千裕
音響名和拓眞
照明甲斐香奈里
制作川縁芽偉子
協力江口正登、小島早貴
  
玉城大祐 『その把駐力で』
作・演出玉城大祐
演出助手南風盛もえ、山下恵美
出演中村真生(青年団)、中藤 奨(青年団)、横田僚平
  
キュレーション松田正隆
  
技術監督寅川英司
舞台監督櫻井健太郎
演出部加藤 唯、福澤汐莉
照明コーディネート木下尚己(株式会社ファクター)
音響コーディネート相川 晶(有限会社サウンドウィーズ)
宣伝美術植田 正
制作三竿文乃
プログラム・コーディネート横堀応彦
協力立教大学現代心理学部映像身体学科
主催フェスティバル/トーキョー

関連ニュース

関連映像を東京芸術劇場アトリエイーストにて無料で上演します。

『Don’t shoot!』(2017)
作・演出:関田育子

『実験と対話の劇場 - 新しい人 / 出来事の演劇 -』参加アーティスト・関田育子の過去上演作品。
8月の公演での問いは「今」と「劇場」に対する意識が観客と作り手でどのように異なるのか、または同じであるのかということだ。 「演劇の舞台で起こることは虚構である」という大きな決まりごとはリアリティのない出来事の展開を容認する。しかし私はこの舞台の持つ容認性を証明したいわけではない。観客が「虚構を見ている」こと自体に気がつきながらも観客自身もその虚構も「今」あることに重大さを感じるのだ。観客は ‘今’ 生まれている出来事を感じとり、目撃している。その上、俳優、ストーリー、配置、音、光、時間を内包する「劇場」という空間にある。 今回の上演では観客が(もちろん作り手も同様に)「劇場」を認識することや、そこに生まれた「何か漂うもの」を俳優と観客と作り手という名詞的な隔たりを超越し動詞的な関係において共有することを実践してみたい。(公演フライヤーより)


日程10/4(水)18:00
会場東京芸術劇場アトリエイースト
入場料無料(予約不要)
上演時間70分
映像編集:長田遼
Photo:小島早貴



『永遠とわとは』(2017)
作・演出:西 岳(シラカン)

『永遠とわ』が『とは』を持ち、進化しました。 旗揚げ公演にして、東京学生演劇祭大賞、佐藤佐吉賞2016優秀作品賞を受賞した『永遠とわ』をリクリエーションした、シラカン第3回公演。この作品で第2回全国学生演劇祭に参加し、審査員賞、観客賞、大賞の三冠を達成した記念碑的作品。


日程10/8(日)12:30
会場東京芸術劇場アトリエイースト
入場料無料(予約不要)
上演時間45分
映像提供:第2回全国学生演劇祭
撮影:脇田友