次世代を担う若手アーティスト、カンパニーの自主公演をサポートする「F/T公募プログラム」も今年で4回目と開催となります。F/T11からは対象をアジア全域に拡大、今年は137件の応募の中から、6つの国と地域から9団体(日本:4、中国:1、台湾:1、韓国:1、シンガポール:1、インド:1)が選出されました。テーマも手法もそれぞれに異なる作品群からは、同時代表現の多様性はもちろん、アジア共通の課題や可能性も浮かび上がってきます。
本プログラムは、アジアにおいて作品、才能が集まる場としてだけでなく、その批評(評価)、流通が行われるプラットフォーム機能を有することを目指します。また、全作品を対象に、新しい価値を創造する作品を顕彰する「F/Tアワード」も引き続き開催されます。
F/T10 | F/T11 | F/T12 | F/T13 | |
応募数 | 80団体 ※国内のみ |
150団体 (国内70団体、 アジア地域80団体) |
180団体 (国内94団体、 アジア地域86団体) |
137団体 (国内74団体 アジア地域63団体) |
参加数 | 8団体 | 11団体 | 11団体 | 9団体 |
アワード受賞者 | 捩子ぴじん | シアタースタジオ・インドネシア | 12/8に決定 |
※F/T10でアワードを受賞した捩子ぴじん氏は本年度の主催作品参加を辞退され、それを受けて、F/Tアワード次席であった村川拓也氏を主催枠に招聘する運びとなりました。
F/T13公募プログラムの参加作品を対象とし、受賞者には次年度の主催プログラムとして創作・発表の権利を約束するF/Tアワード。創作拠点の異なる作品を1つの評価基準で審査することは、個々のアーティストの方法論、同時代の表現に対する意識をいっそう深めることにもつながる。今年は、中国、ドイツからの審査員も参加、これまで以上に多角的な視点からの審査が期待されます。
1961年生まれ。状況劇場を経て、東京グランギニョル、M.M.M.を結成。90年代は美術家として活動するも、95年のベネチア・ビエンナーレ参加後は作家活動を停止。2005年「バ ング ント」展で美術活動を、07年『転校生』(F/T09春で再演)の演出で演劇活動を再開。近年の活動には、国東半島アートプロジェクト2012への参加、13年『ブルーシート』の演出がある。F/Tには、09春・秋、10、11に参加。
1948年生まれ。専門はロシア芸術思想。ウォーカー・アート・センター・グローバル委員、国際演劇祭ラオコオン芸術監督、舞台芸術研究センター副所長を歴任。著書に『二十世紀劇場―歴史としての芸術と世界』、共著に『反響マシーン―リチャード・フォアマンの世界』他、訳書にカントール『芸術家よ、くたばれ!』、タルコフスキー『映像のポエジア』など多数。『シアターアーツ』第一期編集代表、『舞台芸術』(1〜10号)編集委員。
ベルリンで文学博士号を取得後、ドラマトゥルクとして、デュッセルドルフ劇場、バーゼル劇場などで活動。チューリヒ劇場のチーフ・ドラマトゥルク兼共同監督(2000‐04年)、フォルクスビューネのチーフ・ドラマトゥルク(05‐07年)、ウィーン芸術週間の演劇部門監督(04年7月‐05年6月、07年8月‐13年6月)を歴任。このほか、制作担当ドラマトゥルクとして、主にクリストフ・マルターラーとの仕事に従事。
1968年生まれ。京都造形芸術大学舞台芸術学科教授、同大学舞台芸術研究センター主任研究員、機関誌『舞台芸術』編集委員。KYOTO EXPERIMENT(京都国際舞台芸術祭)2013実行委員長。著書に『舞台芸術への招待』(共著、放送大学教育振興会)、主な論文に『沈黙劇とその対部-あるフィクションの起源をめぐって』『〈ドキュメンタリー〉が切り開く〈舞台〉』など。
1972年北京生まれ。中央戯劇学院演劇学准教授。北京大学卒業後、コロンビア大学にて演劇学を学ぶ。07年博士課程取得。06年以降、ミュンヘン大学、フランクフルト大学、中央戯劇学院(北京)で演劇とドラマトゥルギーの教鞭をとる。09年国際シンポジウム『北京におけるドラマトゥルギー』を企画。ドイツで習得したドラマトゥルギーのコンセプトや手法の普及に努める。『ポストドラマ演劇』を中国語翻訳。