劇評

狂人日記

F/Tで上演された各作品、企画についての劇評アーカイブです。
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ポストリアリズムへの探求

セノ・ジョコ・スヨノ
翻訳:加藤ひろあき

 去る11月22日、にしすがも創造舎 (i) のグラウンドに大きな穴が一つぽっかりと口を開けていた。もともと耕作地であったように思われるその土地は手入れされることなく放置されていた。盛られた土の上にはシャベルが数本、ごろんと転がっている。そしていくつかの木箱、見たところコンテナのようなものが穴の横に無造作に置かれていた。わたしは最初、これはインスタレーションアートだろうと考えた。しかも、ごくありふれたインスタレーションだと。

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狂気のおかれる位置


 狂気と一言にいっても、それはどのように形作られているのか。少なくとも、狂気の位相は、時代によって可変的なものである。もはや、現代の古典といえるフーコーの『狂気の歴史』には、狂気が扱われた古典から近代にかけての歴史を通すことによって、西洋を覆う狂気の思想までが書かれる。それは、監視や精神医学という問題と連関し、現在の社会に至るまでの狂気の問題が、理性の関与とともに提示される。

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