劇評

キメラガール アンセム/120日間将棋

F/Tで上演された各作品、企画についての劇評アーカイブです。
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倫理の動物、動物の倫理――シニシズムへの態度


 2012年のフェスティバル/トーキョー(F/T)のテーマは「ことばの彼方へ」であったが、上演された八割方の作品を観て、あらためて振り返ったときに、例年よりもテーマを意識したと思われる作品が多かったように感じた。

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増殖し、身体を乗っ取る声たち(『キメラガールアンセム/120日間将棋』) 


 The end of companyジエン社(以下ジエン社)の『キメラガールアンセム/120日間将棋』の一番の特徴は、同時多発会話である。しかしその技法自体は平田オリザが有名にしたものであるが、ジエン社のそれは平田のそれとは結構な違いがある。まず平田が「自然らしさ」を目的とし、あくまで日常にありそうなシチュエーションで会話を同時多発させるのに較べ、ジエン社はそもそもの劇のシチュエーション自体が「日常」「自然らしさ」というものからは離れている。

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