わたしのすがたアーカイブ

・1 序

本稿は、まずこの作品を十分に享受するという観点から想定された理念的観客の鑑賞体験を通してその細部を記述し、続いてその全体構造を分析することでこれを補足する。

 あなたはたった一人で彼の書いたリストと物語を読んでいる。それを読み上げる声はあなただけが聞く声だ。

 演劇とはなにか。

 時間が流れている、その上に人が立っている。その人の足は地についている。